それでいいっしょ

ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

続・足立区避難体験記

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その後無事に自宅に帰ってこれました。
それどころか、京成線など動いてる電車を乗り継いで都心へと向かい、車で出張にも行けちゃった。サラリーマン魂に火をつけろ。ようやく出張から戻ってきたので避難記録の続きを。


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21時、避難所は消灯となった。少し早い気もするが、運営の負担を考えると寝てくれた方が助かるわなという感じ。子どもたちや老人、また、慣れない避難に疲れた方々は次々と毛布に身をくるみ、それぞれ寝始めた。それでも容赦なく雨は降り、風は吹き付ける。若い人たちは眠れず、仕方がないから布団に入りながらスマホをいじっているという感じ。

まだ暴風域に入っている状況の中、私も眠れるわけもなく、荒川の水位をライブカメラでひっきりなしに確認していた。見たこともないくらいの増水。越えそうで越えないラインをギリギリに保つ。これが氾濫したら、そして決壊したらどうなるんだろう。言いしれぬ不安が募る。

他の記事にも書いたが、私の地元の隣の市は利根川決壊の被害にあったエリアだった。土砂かきだしのボランティアに行ったが、辺りは様々なものが流され、ドロドロの土砂に埋め尽くされていた。またこんなことが起きたらどうしよう。ましてや海抜ゼロエリアなら更に沈んでしまうのではないかと不安で不安でしょうがなかった。


しかもどんどんと状況は悪くなる。
荒川から隅田川へと水を流す分岐点となっていた岩淵水門が閉鎖された。これまで隅田川へと流れていた分の水がそのまま荒川に流れるので水位は上がってしまう。より都心部を流れる墨田川を増水から守るための都の下した判断である。残念ながら仕方ない。


更に荒川系である二瀬ダムの緊急放流が発表された。緊急放流されれば荒川の水位は更に上がる(後に放流はなかったとの報道)。

そして綾瀬川の氾濫警戒レベルが5になったとアラートが鳴り響いて私達に知らせた。
足立区にも花畑辺りを綾瀬川が通っている。
おまけにSNSでは荒川の水位のピークは午前4時なんて情報も出回っていた。確かに川が増水するのは台風が北上してからだ。


この頃には居ても立ってもいられなくなり、何か新しい情報はないかと運営本部に顔を出していた。消防署員なのか区の職員なのか、消防団員なのかは不明だが、彼らのトランシーバーからは綾瀬川の氾濫についての情報が流れていた。

「一階にいる人たちを全員二階に上げて」という指示が出て、緊迫感が一瞬押し寄せる。ついに来たかという感じ。これもこの時初めてわかったが、昇降口にマットを敷いていた方々は冷遇されていたわけではなく、糞尿の世話ができるようにとペットを連れて避難した人たちだった。そんな彼らにも三階にあがってと指示が出た。ペット用のキャリーバッグを大切そうに抱えながら彼らは移動し始めた。


ようやく暴風域を抜けたのかパラパラとした小雨になり、あれだけ激しく吹いていた風も弱くなった。避難所を抜け出して大きな通りに出てみたが、人っ子一人いない。まるで世界の終わりみたいだった。


夜も更け、二時を回ると安心して帰り始める避難者が出始めた。内心「まだ増水のピークは去ってないよ」と思うが、声をかけるわけにはいかない。一人、また一人と去っていく。電源が空いたのでスマホの充電をさせてもらった。ありがたい。


緊張の糸が切れたのか、眠気がやってきた。まあ、氾濫してもここにいれば大丈夫だろう。そう思いながら目を閉じた。でもやはり心配で起きてしまう。アラートだって鳴る。その都度ライブカメラやニュースを見て「大丈夫」と安心してまた眠る。そんな時間が朝まで続いた。
一度目が覚めた際に外に飲み物を買いに行こうとしなら運営本部の方たちも机に突っ伏して寝ていた。お疲れだよなぁ。市民のために少ない人数でこんなに働いてくれたんだもの。


朝七時に起こされる。あまり眠った感じはしないが、もう避難所は閉鎖になるらしい。峠を越えたということか。ホッとした。なんとか氾濫は免れた。

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帰宅をして仕事に向かおうと準備をしながらスマホでニュースを見ると各地で氾濫が起きていてゾっとした。私達が無事だったのは本当に運が良かっただけだった。
私達に毛布や食料を用意してくれた足立区には感謝が止まらない。また、SNSで状況を見て避難先にと呼んでくれた友人もいた。ありがたかった。

今回は急いでケータイ周りと服だけカバンに詰め込んでいっただけだが、もし停電になっていたら、断水していたらと考えたらゾッとする。普段からの準備が大切なんだと反省した。

引越しも視野に入れながら、今回の経験を次に活かそうと強く感じた。

 


 

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