それでいいっしょ

ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

久々に新宿二丁目に行って思ったこと

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2006-04-21   04 Shinjuku-nichome Arty Farty 2

実は年末、新宿二丁目に行ってきた。高校の同級生のノンケ男に二丁目に行ってみたいとせがまれたのだ。

あたしは進学校に通っていたせいですごく浮いていたんだけど、彼とはなんとなく波長が合うところがあった。彼が部活に打ち込んでるのを見て自分は違うなあって思ったこともあったけど、修学旅行で海外に行ったときにスイートルームのルームサービスの残骸を漁ったり、学校に内緒でボディピアス専門店に行ったりして打ち解けた。その後、彼は早稲田の二文に行き、誰もが知るような企業で今も活躍している。エリート予備軍の多かった中では変わった人生を歩んでいる部類だ。そんな彼から久しぶりに連絡。フェイスブックとは偉大なり。そりゃおっさんのツールと言われるわけだ。

普段、二丁目には行かない自分だけど、過去の経験からノンケが行って最大限楽しめるコースを回った。
選んだお店はアラマスカフェ、キャンピーバー、九州男、EIGHT。どのお店もとっても良いお店だ。そして年末ということもあって盛り上がっており、九州男なんかはゲイの50人規模の忘年会もやっていたので「これが二丁目の縮図だよ」と得意気に言ったりもしてみた。

楽しかった。
まあそりゃ楽しいさ。数年ぶりの友人との再会で思い出話に花を咲かせて。17やそこらの小坊主だったあたしたちもいつのまにかおっさんになってて。同級生の現状について語ってみたり。仕事について語ってみたり。時折、友人にご馳走になったりしながら大いに笑った。

髪が短くて身体もいかついなあ」と彼は歌って踊るゲイを見て言った。
そうなのだ。あたしみたいに髪が長いゲイはほぼいなかった。実際にはいないこともないんだけど、あたしたちの行先にはほとんどいなかった。そしてあたしは久しぶりに二丁目に行って劣等感を感じていた。

髪も中途半端に長く、身体だって皆ほど大きくもない。髭もない。マイノリティオブマイノリティ。若いころは何も気にしないでただ楽しくお酒を飲んでいたけど、いつからか居心地の悪さを感じるようになった。

ゲイというのは男臭さを美学として求めるので、どうしても短髪・髭・筋肉というわかりやすいファクターがステータスになってくる。だから自分の求める美意識とゲイのトレンドにずれが生じてしまう。更に言うと、自分がモテの対象から外れることがわかりきっているのに、その事実を突きつけられるのがイヤなのだ。そしてそんなつまらないことをいつまでも気にする自分の器の小ささを突きつけられるのもイヤなのだ。
二丁目は特にその傾向が強かった。上野や浅草などはあまり感じない。むしろ上野だと未だにイケメン扱いをしてくれることもある。って書いてて思ったけど、35にもなって何を求めているんだ、あたしゃ。

今の仕事が土日勤務になったのでゲイイベントに行くこともまったくなくなった。ゆるぽナイト、ノースエ、宇多田ナイト。そういった流行りのイベントに行ったことがない。行ったら行ったで楽しいんだろうなとは思うけども、トレンドを抑えた若いゲイをたくさん目にして、勝手に劣等感を抱くのは目に見えている。
あたしがノンケイベントが好きっていうのは音楽の趣味が大きいところもあるけど、ノンケイベントでは「ホモとしてのモテ・非モテ」って概念がないから楽ってのもあると思う。ゲイとしてゲイに値踏みされることがないのはすごく楽だ。自分に自信があればもっとゲイイベントや二丁目も楽しいのかもしれない。

今回の二丁目ツアーは何よりも友達に楽しんでもらうことが目的だったし、実際自分も楽しかった。その一方でやっぱり上野や浅草が好きなんだとわかってしまった。にしたって最近非モテが過ぎるから髪を切ろう。そう心に決めたところで世間は正月休みで美容院の予約もとれやしない。まったく踏んだり蹴ったりだ。

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