遂に「旅と音楽」のアルバム『Featuring Japan』が出た。や、めでたい。皆様おめでとうございます。
旅と音楽とは
旅と音楽は野田クラクションベベーという若い男の子が車で日本中を旅しながら音楽を作って行くというコンセプトの音楽ユニット。色んなクリエイターを招きながら色んな所に旅をして曲を作り続ける。
特徴的なのはあの炎上、じゃなくて面白ブログで有名な株式会社LIGが事業としてやっているってところ。デジタル配信の売上なり、YOUTUBEの報奨金なりが収入になっているのかな。まあ、野暮な話なのでその辺はあまり触れませんが。そんな株式会社LIGの野田ちゃんがメインとなって地方創生を謳いながら曲を作って行くという面白いユニットなのです。
デビュー曲 波が待ってる
最初は野田ちゃんと、茶園さんというラッパーさんが中心になって曲もリリースされていました。茶園さんって誰?って思って調べたけど検索性がやたら低かったので、徹底的に調べたら高松のスケートショップSKATE HOUSE 1Chanceの店長さんなんだね。ちょっとかわいい。
記念すべき第一弾は静岡の下田での「波が待ってる」、そして第二弾は西伊豆でEELMANを迎えた「シークレットビーチ」なんだけど、ナオトインティライミの曲も手掛けたという華々しい経歴もあるdonsukeによるナンバー。カリージラフが陽気になったみたいなサーフっぽい曲調。
続く第三弾はだいぶ飛んで香川県高松市で茶園さんがビートを制作した「Chilling Life」。個人的にはこれが好きかな。あとなぜかMVで脱いでる。スポーツ推薦で入学した私立文系の大学生の飲み会みたいに脱いでる。
IBURI ft.狐火&観音クリエイション
そして続くは秋田県横手市での「IBURI」なんだけど、ここであの大物ラッパーの狐火さんが参加。狐火の声の存在感が大きいのもあるけど、トラックが観音クリエイションになったこと、そして曲のテーマが「いぶりがっこ」という地域色の強いものになったことでここで一気に地方創生っぽさが出てきた。
あたしが「旅と音楽」のことを知ったのも、あっこゴリラちゃんのライブ「おかえりなさい式」に出た狐火さんが「いぶりがっこ作ってきました」とトークしていたのを聞いたのがきっかけでした。そしてやっぱりこの曲はとっても評価が高いです。
その次は静岡に戻っての「男と女」ではなんとKMCの盟友カレーまんが参加。カレーまんはKMCのゴーストバスターズにも参加していたのであたしも面識があるんだけど、めっちゃ紳士。あとカレーがめっちゃ美味い。クラブイベントでもよく出店しているんだけど、酔っぱらって満腹中枢がズタボロになったときのカレー、ほんとに美味しい。最近食べてないからまた食べたい。
そして高松に戻っての「WALK THIS WAY」。お遍路のことを歌っているこの曲ではなんと社長の吉原ゴウさんが参加。影で旅と音楽を操る首謀者ともいえるゴウさん、なかなか様になってました。もっと参加したらいいのに。
岩手県花巻市の「やんべによ」では狐火、観音さんに加えてご当地ラッパーのBIG-RE-MANがゲスト参加。あのRITTOが絶賛したというBIG-RE-MANが観音さんのトラックにあわせて名物を羅列するご機嫌チェーン。見た目のインパクトも強いので狐火さんが喰われてる感凄い。
続いては狐火×野田ちゃん×観音さんという黄金トリオの「風穴」@静岡県御殿場市。これ、観音さんらしさの出ているビートに狐火らしい親子ネタのリリックが乗っているので、狐火ファンにすすめたい一曲。
そして「潮騒」は宮城県石巻市を基に作られた曲なんだけど、観音クリエイションのトラックにとぴさんというシンガーを迎えた歌モノなので観音さんファンなら必聴。東日本大震災で最も被害を受けたであろう石巻、でもこれからもそこで暮らすことを選択した人々を勇気づけるような曲。とっても綺麗。
ここでなんとあたしの地元、茨城の登場です。しかも結城。小学校の時社会科見学で藍染にいったなあ。成人してから結城紬でも買ってみるかって思ったらめっちゃ高くて買えないの。そんな結城市の歌「つむぎ」はとぴさんによる作曲。野田ちゃんもラップは控えて歌で絡んでます。
続く静岡県三保ではとぴさんと「フジヤマ▲フォーリンラブ」を制作。これが珍しくEDM調なんだけど、MVでは和服で謎のダンスを披露。凝ったトラックのわりにシンプルなダンスなんだけど、狐火譲りの真顔がツボに入る。トラック、ダンス共に中毒性を帯びた珍曲。
法多山GOING ft KMC & カレーまん
最後はあの人気mcバトル番組フリースタイルダンジョンへの出演も話題になったKMCが参加した「法多山GOING」。トラックも観音さんにしては珍しくストリート寄り。アルバムとしてもKMCが参加したことによって一層HIPHOP感が強くなった。
と気が付いたらほとんどレビューをしてしまったんだけど、まあいいや。良作揃いなので良かったら皆さん購入してね。あたしなんて日本国内の地理ぜんぜんわかんないから1曲聴くたびにちょっとした旅に出た気分を楽しめたよ。何より素人だった野田ちゃんが様々なアーティストとの共演を経て成長しているのが実感できる一枚となってます。
CDとしてはアナウンスがないからリリースしないのかな。正直在庫リスクがないしね。そういうところも企業の事業っぽくて面白い。そしてなんといっても旅と音楽は二丁目日本語ラップナイトに狐火さんの応援として来てくれた御恩があります。ゴウさんとベベちゃんは上野のゲイバー行きましょうって盛り上がったにもかかわらず、あたしのふがない経済事情のせいで誘えず仕舞い。近いうちになんとしてでも再就職するので行きましょう!
本当は観音さんのタイをモチーフにしたインスト曲もリリースされてるんだけど、アルバム未収録。ってかあればインストにさせておくのは惜しいのでリミックスで客演呼んだりそういう動きも期待したい。
アルバムには収録されなったけど他にも何曲かあるよ。
今後は制作の場を海外にしていくのかな。でももしかしたら次の「旅と音楽」はあなたの住む町に行ってしまうかもしれません。制作だけじゃ無くてライブでも色々行ってるもんね。次はどこかしら。そんな楽しみもある「旅と音楽」、ぜひ応援してあげてねん。
制作の流れが楽しめる株式会社LIGの「旅と音楽」記事一覧はこちら