小林麻央が亡くなってしまった。野際陽子も亡くなった。小林麻央は亡くなるにはあまりにも早いし、野際陽子は亡くすのが惜しい名女優だった。特に「姑は意地が悪くて気持ちが悪い」という概念を世に植えつけた功績は本当に大きかった。残念でしかない。
続く訃報だけど、一番衝撃を受けたのはやはりMOBB DEEPのプロディジーの訃報だった。だってまだ若いもの。ちょっと前にも刑務所でのご飯をもとにレシピ本を出したというゴシップを見たばっかりだった。病気だから健康管理は大切だよって書かれていたと思う。
MOBB DEEP
と言っても若い子はモブディープなんてよく知らないと思う。モブディープの全盛期はやっぱり3作目までだってあたしも思ってるし、それだって90年代の話だもの。
たしかに90年代のモブディープはとってもかっこよかった。西海岸のような骨太さはないし、かと言ってBADBOYほどの華やかさもないんだけど、ひたすらコアだった。Gang Starrと同系列かなって思う。D.I.T.Cなんかも同じにおいがするけど。
やっぱりモブディープと言えばShook ones pt2 。渋い。
あたしはこれを聴く前にこれをサンプリングしたマライアのRoofをきいて衝撃を受けた。地味なトラックが華やかに仕上がっているのでぜひ聴き比べてもらいたい。
他にもCop Hell、Survival of the Fittest、Hell On Earth (Front Lines)、Temperature's Risingなどかっこいい曲がいっぱいある。まあその辺はまとめサイトが沢山作られているのでそれを見てほしい。
でも今の、日本語ラップしか聴かない子たちがこの辺をいきなり聴いても良さが伝わらないんじゃないかって思ってしまったのだ。だって暗くて淡々としてて、そこがモブディープの良いところでもあるし、ハマればその旋律の美しさもわかると思うんだけど。如何せんコアすぎる。
そんなコアなスタイルを貫いてたモブディープは4thアルバムくらいからだんだんフランクな作りになってきた。It's mineはモニカ&ブランディをサンプリングしているし、5thアルバムはあたしの世代的にはどんぴしゃだったんだけど、軟派な客演を揃えて批判を招いた。6作目でもLil Jonと共演をし、7作目ではなんと50 Cent率いるG-unit入り。ファーギーが加入したBEP、3LWと共演をしたnaughty by natureもそうだけど、元々のファンからしたら到底評価はされない。でもやっぱりこういう作品って聴きやすいっちゃ聴きやすいし、初心者向けだと思う。
そんなわけで「聴きやすい」作品を客演作品やモブディープをサンプリングした作品も含めてまとめてみたので、初めて聴くよって人はぜひ参考にしてほしい。
The Roof / Mariah
97年にマライアが発表したバタフライは黒人とのクウォーターである彼女がルーツを振り返ってHIPHOPを取り入れた名作だった。Puff daddyやThe Ummahと手を組み、ボンサグやJDを招くなど名曲揃いだった。このRoofもトラックマスターズによるミディアムスローで、モブディープのShook ones pt2を大胆に取り入れた。原作にはない華やかさを出している。中学の頃大好きでよく聴いた一曲。
It's Mine ft Nas / Mobb Deep
Murda Muzik(1999年)収録はこの曲はなんとBrandy&MonicaのThe boy is mineをネタ使い。なのでMobb deepっぽさは薄れてしまう。思えばこの頃から迷走が始まっていた?でも元が名曲なので綺麗にまとまっている。
ちなみにネタ元はこれ。
Pray for Me featuring Lil'Mo / Mobb deep
なんでかitunesになかったんだけど、2001年発売のInfamyに収録。Ja ruluなどの客演として飛ぶ鳥を落とす勢いで人気があったLil'moを起用したことで衝撃を呼んだ。それまでのモブディープの仕事を考えると賛否分かれる一曲。
Hey Luv (Anything) featuring 112 / Mobb deep
BADBOY作品には欠かせなかった歌モノ担当グループ112を起用。これも賛否別れたなあ。聴きやすくて個人的には好きだけど、ビートがモブディープっぽくて112無しでも名曲になってた気がする。
上記2作品はInfamyに収録。個人的にはda cypherで知ったThe Learning (Burn) ft. Big Noyd & Vitaもリアルタイムで大好きだった。
Real Gangstaz ft Lil jon / Mobb deep
続く2004年のAmerikaz Nightmareではアルケミストを起用するなど、元に戻ったかと思いきや、まさかのLil Jonを1曲だけ起用。流行に乗りすぎたのがシングルヒットには至らなかったが時代を写す一曲。
Throw Your Hands (In the Air) / mobb deep
こちらはまだ売れ始めだった頃のカニエを起用。やはりカニエなのでちょっと安心して聴ける作り。むしろ隠れた名曲か。
Have a Party featuring 50 Cent & Nate Dogg / Mobb deep
2006年にG-unitより発売された問題作Blood Money。いきなり、G-UNIT人脈のゲスト参加でテンションダダ下がり。スマッシュヒット止まりだったけど、面白いっちゃ面白い。
It's Alright featuring 50 Cent & Mary J. Blige / Mobb deep
HavocによるトラックなのにMobb deepさがあまりない一曲。Deep insideのremixでもタッグを組んだメアリー嬢を起用。名曲といえば名曲。
In Love With The Moulah / Mobb deep
Leona LewisのBetter in TimeやJason DeruloのWhatcha Sayを手掛けたJ.R.Rotemがなぜかプロデュース。全盛期のファンが聴いたら泡を吹きそうなメロウな出来に。しかしこれはこれでありかなと思ってしまう出来の良さ。
Hell on Earth / Erykah Badu
ファンクマスターフレックスのミクステに入っていたエリカバドゥの曲なんだけど、モブディープのHell on earthの上でフリースタイルを披露。面白い。
HUSTLE HARD Feat. HAVOC of MOBB DEEP / SHO
プロディジーはあんまり関係ないんだけど、「ヤクブーツはやめろ」でお馴染みのこの人もhavocと共演。車で目玉焼きを焼いたり、今はギャグ要素強めだけど昔は色々チャレンジしていた様子。かっこいい。
Mobb DeepがHIPHOPシーンに残した軌跡はあまりにも大きい。プロディジーが欠けてしまったモブディープはもうモブディープではないと思っちゃうんだけど、ハヴォックにはソロで良いからモブディープとして続けて欲しいなとやっぱり思う。
ちょっと外しの選曲だけど、これを聴いてファンになってくれる子がいたら嬉しい。