それでいいっしょ

ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

ジンギスカン・豚丼・インディアンカレー!帯広出張で十勝の名物グルメとゲイバーを堪能してきた

というわけで4泊5日の帯広出張に行ってまいりました。
北海道は二回目だけど、実に25年ぶり。それも9歳の頃だから断片的にしか記憶が残ってない。富良野でリフト乗ってラベンダーアイス食べたなとか、トマムに行ったなとか。これは北海道を知る良いチャンスと思い、嫌な仕事を我慢して行ってきました。

銀の匙の街、帯広。

でもなんといってもあたしは「銀の匙」の信者。銀の匙は受験戦争から逃げるために農業高校に入学した主人公が多くの物事を経験しながらすくすくと成長していく青春漫画だ。 

映画にもなっているが出来の方は残念ながらあまりよくないので俄然漫画派なんだけど、そこには農業を通しての生死観があったり、農業を取り囲む過酷な現実があったりする。豚のと畜、鹿の解体、そして親友の家庭の離農(倒産)。でもそれだけじゃなくて、主人公が寮生活で友情を育んだり、文化祭でばんえい競馬の再現にトライしたりして自信を身に着けて行く様はとても痛快。
その銀の匙の舞台が帯広なのだ。なによりも豚丼やピザなど十勝の大地の恵みの描写にはいつも憧れていた。そんなわけで仕事をこなしながらもできるだけ帯広を堪能しようと思ったのだ。

帯広は意外と都会

銀の匙の世界とは言っても帯広駅周辺はわりと都会でした。ビジネスホテルが立ち並び、道を進めば飲食店が広がる。札幌程ではないのかもしれないが、想像していたよりも全然栄えていた。特に飲食店の多さよ。そしてやっぱり東京よりも物価が安い。今回は駅前の某ビジネスホテルの宿泊だったんだけど、歩いて色んな所を回れたので助かった。どこを回ったかは後程。

仕事の現場は幕別町

今回の現場は帯広の15km隣の幕別。朝5時に起きて6時にバンで他のスタッフと向かうんだけど、こっちは本当に何もない。まさに銀の匙、というよりも御影家の世界。山が連なっていて、それと並行しながら道を進んでいくんだけど、本当に畑と田んぼしかない。たまに牧場がある。隣の家まで数百メートル。下手したら数キロメートル。所々ケータイも圏外。同僚は車で走っていたら鹿が並走してきたらしい。

 

凄いなあ。
何もないといっても田んぼと畑は広がっていて、そこは人がしっかり開墾したところだ。開拓移民は何を求めてこの地を開墾していったんだろうって思わず考えてしまった。でもそれが今となっては日本の食文化を支える大切な農村エリアの一つとなっている。ちなみに水曜日の気温はマイナス4度。この極寒の地に移り住み、必死に村を作って行った彼らのことを考えていた。ちなみに屯田兵が開拓したのかと思ってたんだけど、帯広あたりは晩成社という民間人が開拓したらしい。それも凄い話。

 

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空を遮るものがなく、どこまでも広がっていく。冷たい空気が頬を刺す。まさに試される大地、北海道。

 

1日目 インデアンカレー

帯広についてまず初めに食べたのがインデアンカレー。帯広で育ったなら誰もが食べたことがあるというカレーショップだ。今回調べて初めて知ったんだけど、大阪にも「インデアンカレー」があり、それを帯広で真似をして出店したところ、独自の文化になっていったようだ。

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なによりも421円という安さ。エビをトッピングしたらプリプリの小エビがゴロゴロ入っていた。早速食べたんだけど、「コクはあるけど、あっさりめ」。神保町近辺のスパイスカレーに慣れてしまうとちょっと物足りない気がしないでもないが、604円という安さなら十分。エビの食感が嫌というほど楽しめるのが嬉しかった。ちなみにこのインデアンカレー、本当に店舗が多くて帯広近辺ならどこにでもあるのでぜひ食べてみてほしい。

帯広の楽しみ モール温泉

北海道といったら温泉。特に帯広は植物が堆積されて成分が浸みだしたモール温泉がある。自分もビジネスホテルに泊まったのに大浴場がついてました。しかも朝に入ったら貸し切り状態。湯は綺麗な深緑。硫黄臭さがまったくなくて新鮮。仕事がハードながらも毎日この温泉に癒されてました。また入りたいな。

帯広の飲食店街

二日目の夜は帯広の飲み屋街を散策。やっぱり焼き肉屋さんが多いかな。でもなんでもあるよ。色々歩いて気になった通りは二つ。

北のうまいもん通り

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北のうまいもん通りはどっちかというとテナントビルなんだけど、酒屋、イタリアン、ラーメン屋、ジンギスカンなどのお店が沢山入っていて、地元の人々でどの店もそこそこ賑わっていた。このうちの一店舗に行ってみました。まあ、詳しくは後程。

北の屋台

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これは面白い。屋台というよりもプレハブ小屋が何店舗も等間隔で並んでいて、ちょっとしたゴールデン街気分。お店によって雰囲気も変わるのでベトナム料理もあれば北海道の家庭料理もあったり、やっぱり焼き肉屋があったりと色んな味が楽しめる。残念ながら自分が目を付けたお店はいつも満員だったので立ち寄らなかったんだけど、生牡蠣130円なんてお店もあったりして、この通りは地元の人々で賑わっていた。

2日目 ジンギスカン倶楽部 北とうがらし

北のうまいもん通りで気になったのがやっぱりジンギスカン。初日に見かけた時に混んでたんだけど、カウンターが空いていたので思い切ってトライ。
ジンギスカンのロースと豚ホルモンを注文。

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見て、このもりもりのシャキシャキもやし。そしてレアめで頂くジンギスカン。甘めのタレにとうがらしとニンニクを投入。
もうジューシーで甘くってとっても美味しかった。
このおいしさが忘れられなくて東京帰ってきてさっそくジンギスカン食べたくなってる。

3日目 はげ天の豚丼

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やっぱり十勝といえば豚丼!銀の匙でも皆隙あらば豚丼を作って食べてるんだけど、十勝の家庭料理なんだそう。十勝の良質な豚肉を豪快にあまじょっぱく焼いて丼で頂く。
何とも言えないボリューム感。男性が好きそうな味でした。ちなみにはげ天は豚丼の老舗。満足、だけど、1回食べればいいかな。ジンギスカンの繊細な旨さの方が好きでした。でも帯広に来たら一度は食べてみて欲しい。

帯広のゲイバー Precious

にしても仕事はストレスが溜まる!だって毎日5時起きなんだもの。そんな時はゲイバーでおしゃべりしてストレス発散!と思って向かったのはPreciousさん。駅からすぐ近くにあったのでわかりやすかった。

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とっても暖かいママさんがまったりやってるお店。「あら、東京からいらしたの?」と聞いてきて、ぺちゃくちゃおしゃべり。あー、自分はおしゃべりに飢えてたんだなって思った。そうだよね、ほぼしらない人だらけの環境で慣れない仕事してて。ゲイバーに来て、やっと羽が伸ばせたんでした。楽しかった。帯広に行ったらぜひプレシャスに行ってみてください。なお、ノンケと女性は入れないとのことなのでご注意ください。

www.flgsup.com

4日目 十勝居酒場商店 ととと

職場の打ち上げで十勝居酒場商店 とととに。いやあ、大衆居酒屋はメニューの種類が多くていいね。特に十勝港が近いので海の幸が美味しい。

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おさしみにつぶがいにカキフライ、さんまの刺身を頂きました。
身の締まったカキフライはもちろんだけど、脂の乗ったサンマも美味しかった。

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あと、新世代の十勝スイーツ「カタラーナ」も扱っていたので注文したらとってもおいしい。

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カラメリゼされたアイス!シャリシャリしてるの。絶対食べるべき!

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5日目① 六花亭 帯広本店

空港に向かうまでに時間があったので六花亭の本店に。

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六花亭といえばマルセイバターサンドなんだけど、本店はケーキなどの生菓子がいっぱい。店内に用意されていたのはスタンド式のテーブルなのでケーキは買わなかったんだけど、なんとコーヒーは無料。マルセイアイスサンドを食べて、コーヒーを飲んで至福のひと時。

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本店だからか、鹿の像もありました。六花亭やっぱり大好き

5日目② 帯広白樺通りスープカレー本舗

最後は北海道らしいスープカレーに。ちょっと辛めのスパイシーなルーにトロットロの煮豚。さらっとしたスープと白米の相性も良くてとっても美味しかった。

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昼間は仕事で、しかも休日もないので特に観光はできなかったけど、その分美味しいものはしっかり食べてきた。サブカルチャーが乏しいのは否めないところだけど、何を食べても美味しくて胃袋を掴んで離さない土地だった。仕事はハードでまさに「試される大地」って感じだったんだけど、帯広の魅力が知れてよかった。絶対また行きたい。 

 

シャクシャイン

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帯広ぶたいち 豚丼の具 10食

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六花亭 マルセイバターサンド 10個

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北海道土産 札幌カタラーナ (日本 北海道 お土産)

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周りから保毛尾田保毛男と呼ばれた子ども

Rainbow flag

あたしは普段オープンゲイとしてノンケ社会で遊びまわっていて、もう十分に周りのノンケの友達に恵まれているから、あんまり「サベツダー」「ゲイノケンリガー」とか言いたくないんだけど、「みなさんのおかげでした30周年記念SP」であの忌々しいキャラクター、保毛尾田保毛男が復活してしまったので思わずこうして筆を取っている。

 

あたしは「とんねるずのみなさんのおかげです」が大好きな子供だった。「とんねるずのみなさんのおかげでした」じゃないの?と思われる若い方もいるかもしれないが、1988年から90年まで前番組として放送されていたのが「とんねるずのみなさんのおかげです」だった。

 

当時あたしは5~7才だったんだけど、未だに覚えているから幼少期の擦り込みってすごいんだなって思う。実際に「とんねるずのみなさんのおかげです」の最終回は小学校の入学式の前日で、寝坊したら困るからと親が見せてくれず、ビデオ録画で泣く泣く我慢したという記憶も残っている。その最終回に関しては繰り返して何回も見たので未だに番組内容もよく覚えている。エレボにデパボという言葉もその時知った。

「とんねるずのみなさんのおかげです」だけじゃなくって、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「志村けんのだいじょうぶだぁ」あたりのバラエティー番組はどれも好きだった。そのあとの「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」「山田かつてないテレビ」も好きだった。

 

「とんねるずのみなさんのおかげです」は特に思い入れが強かったんだけど、番組のコーナーの中でも「仮面ノリダー」「サンバーダード」「イボタカ子」「モジモジくん」あたりが好きだったんだ。おかげで今だに宮沢りえと小泉今日子を妄信的に愛するオカマになってしまった。

 

ただ、「保毛尾田保毛男」だけは苦い思い出しかない。

同性愛者を面白おかしくデフォルメして石橋貴明が演じたのが保毛尾田保毛男だった。
あたしは子供の頃からオネエっぽさが出てる子供だった。リカちゃんもシルバニアファミリーも好きだったし、それを自覚しているかというとまだ子供だったのでよくわかってなかった。自分では普通に話しているつもりなのに「おかま」「おとこおんな」と周りの子供から呼ばれて、「自分は周りとは違うんだな」ってなんとなく感じて悲しく思うことが多々あった。

 

そんな時にふと新しいあだ名で呼ばれるようになった。それが「保毛尾田保毛男」だった。田んぼとファミレスしかないような田舎ではテレビの存在が絶対的で、小学校に上がるか上がらないかくらいの子供にも保毛尾田保毛男の存在は浸透していたのだ。


未だに同級生には「どうしてそうなっちゃったの?」って驚かれるくらい、あたしは小学生時代はわりと気が弱くて温厚だったので暴力的に降りかかってくるそのあだ名に対して成す術が何もなかった。子供ってなんて残酷な生き物なんだろうか。保毛尾田保毛男、あたしは周りからこういう存在のように映ってるんだって絶望しかできなかった。そこには不安と恐怖があった。このまま、保毛尾田保毛男のように周りから笑われつづけたらどうしよう。大好きだった「とんねるずのみなさんのおかげです」の中で「保毛尾田保毛男」だけが憎かった。

子供っていうのは飽きっぽくてやがて保毛尾田保毛男なんていう名前も忘れていって、いつの間にかそんなあだ名もなくなったんだけど、保毛尾田保毛男という単語を聞くと今でもあの時のつらい気持ちがうっすら湧き上がってくる。

 

何もわかってない子供だったけど、保毛尾田保毛男の存在はゲイ差別を促していたと今だからこそ言える。女っぽい男を笑うことを全力で肯定してる。うちの弟は3歳違いなのでわりと一緒にいたんだけど、そんな風に呼ばれる自分を見て、どう思ってたんだろう。うちの親も多分その事には気づいていたと思うけど、どう思ってたんだろう。親にはカミングアウトしているけど、あの頃のことは未だに聞く勇気はない。

 

「まだそういう時代だった」、もう自分もいい歳しすぎた大人なのでそう割り切って考えることもできる。逆にNHK教育テレビの海外ドラマ枠で「ふたりは友達? ウィル&グレイス」が放送された時は2002年だったんだけど、「ストレート風でハンサムな」弁護士のウィルがゲイであるという設定に衝撃を受けた。世の中は、というよりアメリカはLGBTに対してここまで理解した国になったのかと感動した。


LGBTブームと言われて久しいが、ゲイを偏りなく写すメディアも増えたと思う。でもその矢先に保毛尾田保毛男が復活してまた心がそわそわしてしまった。なぜ今、時代を逆行しようとするのだろうか。どんな気持ちでフジテレビはこれをまたやることにしてんだろうか。

 

中には「騒ぎ過ぎ」という声もある。
そう声をあげる人に一つ聞きたい。

 

もし自分が保毛尾田保毛男というあだ名で呼ばれたら
もし自分の子供が保毛尾田保毛男というあだ名で呼ばれたら
どんな気持ちで毎日を過ごさないといけないか

そんなことを少しだけ想像してもらいたい。


あたしは今生きてきて、こんなに友達にも恵まれて、楽しい毎日を送れている。今更「ゲイだから生きるのがつらい」なんていうつもりは一切ないし、オカマなの?って聞かれても胸を張って「オカマだよ!」と笑い飛ばせる強さも持ち合わせてる。でも幼少期に保毛尾田保毛男というあだ名をつけられてつらい思いをした昔の自分にもし誰かが「そんなことないよ」と手を差し伸べてくれたらもうちょっと楽な気持ちになれたんじゃないかなと今更ながら思った。

あたしの幼少期の素晴らしい思い出だった「とんねるずのみなさんのおかげです」、30周年はおめでたいけど素直にお祝いできない自分がいる。皆にも少しだけ考えてもらえたら嬉しい。

 

※サンバーダードの表記に誤りがありました。ごめんなさい。

※松岡さんのブログにも色々考えさせられたので貼っておきます。読んでみてください。

soshi-matsuoka.hatenablog.com

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あっこゴリラの新作「ウルトラジェンダー」のテーマは性の超越?男性同士のキスシーンも!

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あたしは今猛烈に感動している。あっこゴリラの新曲「ウルトラジェンダー」のMVが公開されたのだ。

 

youtu.be

黄熱病 -YELLOW FEVER- × STUTS」、「PETENSHI × ITSUKA(Charisma.com)」に続くコラボシングル第三弾となるこの曲はあっこゴリラ自主企画イベント・ドンキーコングでゲスト参加した元Sebastian Xの永原真夏が晴れてボーカルとして参加している。
これまでSTUTS、OMSBなどサウンド面でもコラボを続けていたが、今回はあっこゴリラの1stアルバム『TOKYO BANANA』やEP「Back to the jungle」でもお馴染みのヒラサワンダとの再タッグとなった。luteによるMVはベトナムホーチミンで撮影。

 

ヒラサワンダ×あっこゴリラという組み合わせにしてはジャングル感は抜けきり、鍵盤から始まるイントロはまるでおしゃれハウスのよう。しかしフックではホーン全快のビートの上でエッジの効いたあっこゴリラの鋭利なラップが暴れ周り、しっかりと盛り上げる。永原真夏のパートではジャジーなトラックに伸びやかな歌声が映える。

 

しかし凄いのは曲のテーマ。「ウルトラジェンダー」、超越したジェンダーといったところか。

 

女の子はラップすんなとかいう男どもはFxxk Youだ。」「20歳過ぎたらBBA」というリリック、そして胸を盛る靴下を取り出す様はあっこゴリラなりのフェミニズムを感じさせる。女らしくしなければいけない男性の性的対象でいなければならないという抑圧からの解放。まさにウルトラジェンダー。
あっこゴリラはTシャツにダメージデニムというボーイッシュないでたちで緑の髪を振り乱して踊りながら街を練り歩く。時折、緑のアオザイ姿に切り替わるが、とても陽気さ溢れるMVである。

そして「男も女でもない」「大人も子供でもない」「貧乏もリッチもない」という無限の可能性を感じさせるリリックが続いた後は「フリーダム!ウルトラジェンダー!」と結ぶ。その間、なんと同性愛を彷彿とさせるキスシーンが出てくる。

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今までのHIPHOP界でこんなMVはあっただろうか。西新宿パンティーズの一連の作品やプライマルの「性の容疑者」など当事者によって同性愛について歌われた曲はあれど、当事者以外によるMVでゲイ映画のワンシーンのようなキスシーンがでてくることは決してなかった。
それは「人は固定のジェンダーに囚われることはない。フリーダムで良いんだよ」というあっこゴリラのメッセージなのだろう。とっても革新的で、でもあっこゴリラの愛に溢れた曲だ。

あたしはあっこゴリラがこのような曲を出してくれたことが素直に嬉しくて、ただただ泣いた。厳密にいうとキスをするまでには至ってないんだけど、何度見ても芸術的で美しい。これまでHIPHOP界ではタブーとされていた同性愛をも肯定してしまうあっこゴリラ。ベトナムというアフリカに比べて少しだけ文化的になったジャングル感がもたらすその世界に魅了されてしまう。

 

永原真夏が力強く歌う。

WAKE UP WAKE UP WAKE UP
名のあるものに用事はない
未知なる細胞 最初の最後
既にあるものには何もない
No Futureからwhat the future!

 

固定の価値観に縛られず、新しいものを切り開いていく。そこにはきっと素晴らしい未来が待っている。あっこゴリラのパワーみなぎる素晴らしい曲だ。ぜひ皆に聴いてもらいたい。

ウルトラジェンダー × 永原真夏

ウルトラジェンダー × 永原真夏

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  • provided courtesy of iTunes

 

あっこゴリラは6月30日にバースデーを記念した自主企画イベント『びっくり誕生日ドンキー3』を渋谷GLADで開催する。実はあたしも去年遊びに行ったこのイベントは、カリスマドットコムのいつか、STUTS、食品まつりなどあっこゴリラと親交があるアーティストが勢ぞろいするとっても豪華なイベントだ。何よりも目の前で繰り広げられるあっこゴリラのエネルギッシュなステージに圧倒されてしまう。ぜひ見に行ってもらいたい。

 

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★あっこゴリラの過去の作品はこちら★

TOKYO BANANA

TOKYO BANANA

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Back to the Jungle - EP

Back to the Jungle - EP

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黄熱病 -YELLOW FEVER- × STUTS - Single

黄熱病 -YELLOW FEVER- × STUTS - Single

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PETENSHI × ITSUKA (Charisma.com) - Single

PETENSHI × ITSUKA (Charisma.com) - Single

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