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ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

【自粛のお供に】おすすめ漫画15選【クセが強い】

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急に始まったコロナ騒ぎ、そして自粛ムード。
ニューヨークに住むシンママの訴え」「NY感染体験記(未確定)」なんて見ちゃったもんだから、さすがにあたしも怖くなって自粛している。

自粛のお供に漫画

そんな時の時間の潰し方に困ってるという方、漫画なんてどうでしょう。私は文芸学科卒だから小説も好きなんだけど、漫画も同じくらい好き。でもあんまり少年漫画は読めなくて、ちょっと癖のある漫画ばっかり好きなんです。

そんな癖のある漫画の中からおすすめを選んでみました。こんな状況だから上手に自粛。中には電子書籍化してないものあるけど、気になる物があったら読んでみてね。

『not simple』オノナツメ

 

not simple (IKKI COMIX)

not simple (IKKI COMIX)

 

 運がない男の子の寂しい話。
本当のお母さんに会いたい、それだけの小さな願いもかなわない。父親に愛されず、義理の母親にも邪険にされ、身体を売らされる日々。それでも彼は希望を忘れずに走り続ける。

オノナツメのイメージが変わる、ダークだけど切ない一冊

『チワワちゃん』岡崎京子 

チワワちゃん (あすかコミックスDX)

チワワちゃん (あすかコミックスDX)

  • 作者:岡崎 京子
  • 発売日: 2018/12/22
  • メディア: コミック
 

 バラバラ遺体で発見されたチワワちゃんは元々みんなのお友達。皆で集まってチワワちゃんの思い出を語っていく。
背が小さくて胸が大きくて。料理をしたりしなかったり、彼氏に一途だったり誰とでも寝たり。どれが本当のチワワちゃんなんだかわからない。でもチワワちゃんは皆の友達だったんだよ。
ヘルタースケルターでお馴染みのオカキョンの名作。チワワちゃんを振り返る青春ストーリー

 『Strawberry shortcakes』魚喃キリコ

strawberry shortcakes

strawberry shortcakes

  • 作者:魚喃 キリコ
  • 発売日: 2020/03/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 過食症のイラストレーター、メンヘラのOL、片想いをする風俗嬢、平凡な毎日に飽きるフリーター。歳も生活環境も違う4人の女がそれぞれ抱えたストーリー。4人とも性格が全然違うんだけれども、なぜだか一人ずつ感情移入してしまう。

「あたしが死んだら菊地は泣く?」、個人的には秋代が一番好き。

『ハッピーエンド』ジョージ朝倉

 

新装版 ハッピーエンド (KCデラックス)

新装版 ハッピーエンド (KCデラックス)

 

 ショーコとアキラ、二人は親友だった。でもショーコはいつからかおいてきぼり。もうちょっと青春しようよ!と悪あがきばかり。ドレス工場のマリエちゃん、どうしようもない彼氏、そして子供を産んだアキラ。最終的に落ち着くところに落ち着いて、またショーコの青春は回り始める。

「さみしい女には小さな夢がある」、彼女は楽しそうに歌い続ける。
「ピースオブケイク」のジョージ朝倉による傑作青春漫画

『HER』ヤマシタトモコ 

HER(Feelコミックス)

HER(Feelコミックス)

 

「娘に訪れるすべての幸福も災厄も母親に由来する」「男は愚か、女は醜い

ヤリマン、レズビアン、女子高生。女の恋や生き方を描いたオムニバス。あっさりとした絵柄でずっしりとくる、ヤマシタトモコの出世作。作中に出てくる中年レズビアンもかっこいい。

『DAY DREAM BELIEVER again』福島聡 

DAY DREAM BELIEVER again vol.1 (Beam comix)

DAY DREAM BELIEVER again vol.1 (Beam comix)

  • 作者:福島 聡
  • 発売日: 2004/01/31
  • メディア: コミック
 

準公務員をしながら風俗で働いて、寝た切りの母親の介護をしていた主人公が力に目覚めて旅に出る。彼女の力は「相手の悪夢を具象化する」こと。悪人を選び、人に悪夢を見せていく。でもそのうちに自分も悪夢に取り込まれてしまう。夢なのか現実なのかわからないまま話は進む。

鬼才福島聡の初期の作品。全2巻。ストーリーがはっきりしない箇所もあるが、それもまた演出。

『愛と呪い』ふみふみこ 

愛と呪い 1巻: バンチコミックス

愛と呪い 1巻: バンチコミックス

 

 生まれた時から強いられた信仰、母からの虐待、父からの性的虐待。震災で家族を亡くした友達。世の中はこんなに冷たいのに、神様は本当にいるのか。愛子は少しずつ壊れてく。

重くて重い漫画。未完。

『魔女』五十嵐大介 

魔女 (1) (IKKI COMICS)

魔女 (1) (IKKI COMICS)

 

「異教徒とは結婚しない」と振られ、その歪んだ愛情から魔力を手にした女。彼女は男を憎み、故郷を憎み、魔力を悪用する。そんな時、一人の小さな魔女が啓示を受けて立ち向かった。

「海獣の子供」で一躍有名になった五十嵐大介の初期の名作。画力、設定、ストーリー構成、どれも申し分なし。オカルトネタ好きな方におすすめ。全2巻

『スラップスティック』青野春秋 

 暴力を振るう不良の兄、時々虐待をする貧乏な母、幼い主人公に希望はない。それでもなんとかやりすごして生きていく。歪な家庭で育った子供は将来どうなるのか。

「俺はまだ本気出してないだけ」や「100万円の女たち」の青野春秋の自伝的漫画。

『girl』ジリアン・タマキ&マリコ・タマキ 

 カナダに住むアジア系女子高生スキム。ヒステリックな母親は父親と別居。太った外見からスキムと揶揄され、時には人種差別を受けながらも、魔女になることを夢見ながらなんとなく生きている。友達を失い、新しい友人を得て、更に恋をする
日系アーティストによる、小さな青春物語。

『WOMBS』白井弓子 

WOMBS(1) (IKKI COMIX)

WOMBS(1) (IKKI COMIX)

  • 作者:白井弓子
  • 発売日: 2015/06/26
  • メディア: Kindle版
 

 自分たちの星を守るため、女たちが選んだ生き方は、物質転送能力のあるエイリアンを体内に宿すこと。つわりと戦いながら仲間と結託し、鬼軍曹の元で鍛えられる。そして戦では能力を使って、男たちを戦場にと転送する。

妊娠と戦争を結び付けた異色のバトル漫画。2017年第37回日本SF大賞で大賞を受賞。全5巻。

『なるたる』鬼頭莫宏 

なるたる(1) (アフタヌーンコミックス)

なるたる(1) (アフタヌーンコミックス)

  • 作者:鬼頭莫宏
  • 発売日: 2012/11/05
  • メディア: Kindle版
 

 竜の子・ホシ丸と出会った主人公、シイナ。ある日争いに巻き込まれ、ホシ丸と共に戦う。謎の竜と少女、そして仲間と敵がそれぞれ現れる。大切なものを守るために戦っていたシイナだったが、最終的に敵になるのは人類だった。大切な人を殺されたシイナが選んだ答えとは。

ぼくらの」で評価された鬼頭莫宏。一時は入手困難となっていた鬱漫画の代表作。ストーリーや人物描写が面白かったのでピックアップ。

『親なるもの 断崖』曽根登美子 

 まだ、室蘭が鉄鋼で栄えてた頃、そこには地獄のような遊郭があった。何かを失って、また失って、失って。それでも命だけは守ってきた。しかし次々と時代は変わる。時代に振り回された遊女たちの壮絶な話。


『cocoon』今日マチ子 

COCOON

COCOON

 

看護師として働く女学生達に戦争の影が忍び寄る。殺される子、自決する子、殺す子。優しいサンはいろんなものを目にしながらも「私たちは繭に包まれている」という呪文にしがみついてなんとか生き延びる。ただ大切な物を一つだけ失ってしまったけども。

ひめゆり学徒隊インスパイア系漫画。裏「この世界の片隅に」的な作品。

『風子のいる店』岩明均 

どもりのある女子高生風子が、喫茶店のバイトにチャレンジ。挨拶ができなくてドジで失敗も多いけれど、心の優しいお客に支えられながら今日も風子はお店で元気にコーヒーを運びます。

寄生獣」の岩明均が描いたほんわかドラマ。寄生獣に比べると地味だけど良作。

 

って並べてみたけれど、暗い話ばっかりでびっくりした。ただでさえ、自粛ムードで気がめいってるのにね。ごめんなさいね。でも、ストーリーが重ければ重いほど、考えさせられる物って大きいと思っていて、笑って消費できるエンタメもあれば、色々考えさせるエンタメもたまには面白いんじゃないかなと。そう思って選んでみました。ぜひ色々読んでみてね。

イベント業界で働いてるけど、コロナウイルスで業界がヤバいんだわ。

Tokyo Game Show 2005

前々から言ってるんだけど、あたしはイベント業界で働いてる。フリーランスではなくて、イベント会社に籍を置いて社員として働いている。

 

イベント業界って言っても漠然としていてわかりにくいと思うんだけど、「東京○○ショー」と言えば想像しやすいかな。幕張とかお台場の大きな会場でよくやってるやつ。あの中にも色んな企業ブースとか、運営本部とか色んなセクションがあって、あんなに大きいイベントをやるにはたくさんの人手が必要で、そこに人を斡旋してるのが私たちの役割。まあ、人材派遣がメインにはなるんだけど、企画や制作も含めてイベント全般のお仕事をしています。

 

出演者や主催者の控室を作ったり、スタッフのお弁当の手配をしたり、トランシーバーの準備だとか本部の中のことをするときもあれば、企業ブースで列を整理をしたり、受付や景品との交換をしたり。実力がある人はステージ進行を捌くこともある。代理店から降りてくるんだけど、まあ色んな仕事がある。コンパニオンを手配するのも自分達の仕事だ。そうやってイベントを作ってる。

 

この業界に入って思ったことは世の中、本当に色んなイベントがあるんだなってこと。幕張とかお台場みたいなわかりやすいものだけじゃなくって、駅中の物産フェアとか、入社式とか就活とか車の試乗会とか映画の試写会とかマラソン大会とか。全部イベントなの。業界の人が「うちは何でも屋ですから」って自虐気味に言って笑いを取ることが多々あるんだけど、まさにそんな感じ。

 

このコロナ騒動でそのイベントが全部なくなってしまった。あっという間だった。

 

実はイベント業界はほぼフリーランスで構成されている。シフトの融通が効くからといって学生がバイトをすることもあるし、正直に言えば学やキャリアも関係ない世界なのでフリーターも多い。実力を認められてたスタッフはアシスタントディレクター(AD)になり、スタッフを束ねるポジションになる。そうなると日給も上がるのでまあまあ生活もしていける。ADから更に上のディレクターになれば責任も重くなるが日給はもっと上がる。そういう人たちの手配もイベント会社の社員の仕事になるが、ディレクターレベルになればサラリーマンより稼げてしまうので、サラリーマンに戻れなくなってしまったという人たちもたくさん見てきた。私たちみたいな社員よりよっぽどもらってたりするもん。


そんな人たちの収入源が一気になくなってしまった。最後の頼みの綱として某国際的スポーツ大会があったが、それすら先の話になってしまった。あたしは社員なので現場がなくてもお給料が出るが、それだっていつまで続くかわからない。フリーランスの人たちは既に路頭に迷いつつある。「現場ないですよね?」とダメ元で聞かれるが、謝りながら断るこちらとしてもキツいものがある。今まで散々助けてもらった彼らの生活を守ってやれないのも歯がゆい。


少しでも売上に繋がればと思い、既にライター業を会社を通して受注している。ただ、ライター案件も決してギャラは高くないし、あたしも決して器用なタイプのライターではないのでくすぶっておりますよう。というわけで何でもいいのでお仕事ください。

ゴールデン街の久絽という店

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RECESS ABROAD: JAPAN – Recess より転載)

 

下町の赤ちょうちんとかで飲んでるとよく「二丁目に連れてって」と女子に言われることがある。ホモだからって二丁目ばっか行ってると思うなよって思ったりもするんだけど、向こうもまあ、社交辞令なんだろう、実際に行くことはあまりない。

 

そもそも私は20代でこそ、二丁目で遊んだりもしたけれど、飲み屋デビューはゴールデン街だった。だから二丁目育ち、ってよりもゴールデン街育ちって意識の方が強い。二丁目も好きだけどね。

 

ゴールデン街に久絽というお店がある。花園一番街の一番端っこにある小さいお店だ。その名の通り、久絽というママが一人でやっている。

 

学生時代、「ゴールデン街で久絽という店が中心となってGAW展というアート展をやるから店番を手伝ってほしい」と当時の教授に声をかけられたのがきっかけだった。あれは確か20歳になる頃だった。

 

ウィスキーの飲み方もしらないの?
それまではクラブかチェーンの居酒屋にしかいったことがなく、テキーラかカクテルしか知らなかった私が真っ先に言われたこと。焼酎とウィスキーの割り方を習い、アイスピックでの氷の塊の砕き方を初日に習った。「あんたオカマなの?いやあ、凄いのをよこしたもんだよ」と久絽さんはニヤニヤしていた。

 

久絽は面白いお店だ。久絽さん自身もアーティストで、当時はCDを作ったり、作品を展示していた。GAW展ではゴールデン街劇場を利用して詩の朗読会をしていた。客もアーティストが多かった。アーティストだけでなく、編集者、ライターだとか所謂「文化人崩れ」的な人たち。そんな人たちが夜な夜などうしようもない話ばっかりしてる。あたしもよく「最近の若者は○○も読んだこともないのか」とからかわれた。

 

その常連の中に森山大道がいた。GAW展も様々な作品展示があったが、森山大道の作品はひと際輝いていた。モノクロの背景に浮かび上がる深紅の唇。それをステッカーにして久絽は壁から天井までひたすら貼っていた。圧巻だった。

 

久絽さんのお手伝いしていた時、好きな音楽を流していいって言われたことがあった。あたしはお店の品位を損なわない音楽をと考えに考えてエリカバドゥを流していたんだけど「オカマみたいな曲流してんじゃないよ!」とたまたま戻ってきた久絽さんに言われたことがあった、「しょうがないじゃないの、オカマなんだから!」って言い返して二人で爆笑して仲良くなった。

 

通りがかりの男女がお店に入りたそうにしていた時に「良かったら作品見ていってください」って笑顔で話しかけたら「うちは連れ込み宿じゃねえんだよ」って怒られたこともあった。「だって大道さんの写真、色んな人に見てもらいたいじゃない!」ってやりとりをしてたら森山大道がおもしろそうに眺めてたなんてこともあった。森山さん、寡黙だったけど素敵な方だった。

 

残念ながらあたしはその後、ワープアになったり、住んでいた実家が遠かったり、なんでかアメリカで働いたりしていたので久絽とはその後、疎遠になってしまった。最近ようやく色々余裕ができたので気が向いた時に行っている。

 

久絽さんにはすっかり忘れられてしまった。いや、あの人はお酒を飲み過ぎなんだ。だから行く度に「GAW展の時、手伝ったのよ」「あーあの時の子?」なんてやりとりをいつまでもして、同じような思い出話を何度もしている。でもそのやりとりすら心地が良い。森山大道の唇ステッカーもそのままだ。

 

ゴールデン街はこの10年で変わってしまった。当時通っていた文化人崩れのおじさん達も高齢になって来る頻度が落ちた。そのかわり、外国人観光客が増えた。そして日本人の若者も増えた。外国人はチャージというシステムを理解できないから多くのお店がチャージをやめた。その変わり一杯あたりの単価を高くした。久絽も例外ではない。

 

久絽は外国人受けするようで、あたしが久絽さんと飲んでいると、果敢にも外国人客がどんどん入ってくる。そんな外国人たちに対して英語でシャキシャキ接客する久絽さんを見て、さすがだと思ってしまう。街は変れども、店はいつまでも変わらない。私はそんな久絽が大好きだ。

 

ぜひ久絽に行ってみて欲しい。

 

http://goldengai.jp/_userdata/201405.PDF(地図)

https://www.yelp.com/biz/7HL_rVLdkd2eTDGutmS5mQ?utm_campaign=www_business_share_popup&utm_medium=copy_link&utm_source=(direct)

今、Valkneeの『nice pic』騒動を想う。

酔っぱらうと未だにValkneenice picを聴いてしまう。
そして眠りにおちるまでモヤモヤとした感情を胸に抱えてしまう。

 

Valkneeは舌ったらずなラップが癖になるフィメールラッパーだ。
ギャルラッパーを自称しているが、その起源はどちらかというとオタク。というかハロオタを自称しており、ハロプロの音源にラップを載せ始めたのがきっかけということがsaii君のインタビューでも読める。

valknee+ANTIC、ギャル憧れ世代のギャルサーを──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」第31回 - OTOTOY

 

ValkneeはANTICというトラックメーカーと組んで曲をリリースしているんだけど、トラップっぽい曲もあればほんわか浮遊感ソングもあって、本当にイケイケって感じで目が離せない。


でもギャルっぽい面もリリックに垣間見れるのがValkneeの面白さだ。

 

例えば『悪夢』。

「新しい彼女できたとしても彼女の元カレもValkneeファンだよー」「新しい彼女できたとしても彼女の鼻歌もValkneeラップよー」というギャルっぽいマウントの取り方を表していて面白い。そして無意識なんだろうけど、『悪夢』のフロウはari1010の「君の名は」を彷彿とさせる。それが癖になる。

 

Dreamin'(valknee好きピremix)』も外せない。

「好きピ、まじ好きー」というあたし世代には使うのも憚れる現代ギャル語を連呼。複雑なコードのトラックとも相性が良く、舌ったらずな歌い方、ユニゾンの厚みも相まって中毒性の強い曲に仕上がっている。細川ふみえの「スキスキスー」的なノリなんだよね。

 

ここまで書けばあたしのValknee愛が伝わると思うんだけど、問題の曲は「nice pic」というタイトル。

 

男の自撮りはカマくさいけど」という表現が出てくる。
男はこうであるべき、という押しつけ、そして「カマくさい」というゲイに対する差別表現が一部に騒がれた。といいながら、果たしてこれはゲイ差別なのかと未だに考えてしまう。単なる当事者による言葉狩りではないのかって。
言葉というのは本当に難しい。本人はそのつもりがないのも伝わってくる。

でも正直に言って、好きなアーティストがそういう表現を使っているのを見ると非常に胸が苦しくなった。

 

でもね、あたしこの曲大好きなの!!
だってサビが「シティーボーイの飯見せてェ」だよ!めっちゃキモいじゃん!男の子に対するスニーカーから飯までインスタでアップしろっていう欲望の歌なの。そのベクトル、本当に好きなの。トラックもめっちゃかっこいいし。無意識に「シティボーイの飯見せて」ってうっかり呟いちゃうもん。


あのね。このジレンマをどう昇華したらいいのか、36歳になってもまだわかんない。情けない。本当に興味ない対象だったら「ハイハイ」で冷ややかに笑って澄ましちゃってるんだけど、だってValknee好きなんだもん。
そもそもゲイにハロオタ人口めっちゃ多いしね。ほら、アイドルってゲイが自己投影するのにぴったりだから。美しくてかわいくて。ちなみにあたしは鞘師、さゆみ、壇はう推しだったんだけど。だからValkneeのことも嫌いになれないの。一緒にハロプロ推したいよ。そんなValkneeを推したいよ。


それでその問題の箇所を指摘する声もあったんだけど、それを眺めながら時代は変ったなって思った。だって指摘してる方々、LGBT当事者じゃないんだもん。

 


救われた。本当に救われた。
この二人の呟きに。
時代は変わった。

 


中1の時、理科の先生に「オカマ」って罵られたことがあった。
あの屈辱は忘れもしない。あの日、その理不尽な罵りに対して怒りが沸き上がり、泣きながら職員室に駆け込み、学年主任の先生に「教育者がそういうことしていいんですか?」って絶望しながら泣き叫んだ。自我がまだきちんと形成されてない時期、己のジェンダーもまだわからぬ時期、理不尽に差別を受けた。あたしはあの日、人を呪うことを覚えた。

 

あの日の自分に、これから世の中はもっと良くなるって伝えたい。

 


私は今でもモヤモヤしながらValkneeを聴き続けてる。
Valkneeが大好きだからこそこのモヤモヤはきっと消えない。

 

追記:

SNSでご本人よりメッセージを頂きました。とても素敵な方だったので、ぜひ読んでみてください。より一層好きになりました。再生回数伸びてほしい。

 

追記2:

他にも影響力の強いラッパーでゲイフォビアな方がいる中、コンシャスなラッパーにだけ狙い撃ちをしてこういう意見を表明しているのではないかという声も見かけました。

そこでビーフするつもりはないけど、私はドライブバイの時には既にインターネットの使い手だったのでめっちゃ抗議メールしてます。あと無謀にもクラジャマとか乗り込んで騒ぎを起こしたこともありました。意図的ではなかったけど。

最近はメジャーラッパーは切り捨てちゃう。サウンドが好みじゃないから。でも「コンシャスなラッパー」を狙い撃ちしてるってわけじゃない。そこはご理解頂きたい。結果的に個人として、サウンドの面白さを求めたら「コンシャスなラッパー」ばっかり聞いちゃってる面はあります。影響力なんかで音楽は選んでません。ライター業する時も特にそうですが、自分がリスペクトしたい人たちの曲だけ取り上げたいと思っていますよう。

 

www.kanaehiphop.tokyo

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