千住フレッシュ
足立区は千住で開催された音楽とアートの祭典Senju Freshに行ってきた。
場所は北千住スタジオPacks。普段はバンドなどのスタジオになっているんだけれど、今回はフロアごと貸切ってそれぞれの部屋ごとにクラブ仕様になるという面白い企画。
メインフロアではスクリーンにアートが映し出され、ラウンジではKaToPe氏によるライブペインティング。
しかも出演アーティストからして凄いんだ。
もうどれ見ようか悩んじゃうパターンだね、これ。実際にノリとかフィーリングとかまかせちゃったけど、ちゃんと色々プラン立てればよかったってちょっと後悔してる。体が三つあればよかったのに。
ちょっと遅れながら乗り込んだけれど、見渡せば下町の知ってる顔ばかり。Zimaという名の杯を交わして挨拶する。マー君のDJをゆらゆら楽しんでると、最後にATCQを流してくれて、とっても気持ちよかった。さすがわかってらっしゃる。
Y.I.Mというディープインパクト
それからY.I.M&カトマイラを見たんだけれど、Y.I.Mの存在が衝撃的だった。ノンノからでてきたようなゆるくてかわいい女の子二人が独自の世界観を表現している。「胸でかくねぇから家出たくねぇ」と女の本音を自虐的に吐露するClass A。しかも今回一緒にいった友人が巨乳だったんだけれど、途中でY.I.Mの2人に胸を指さされて、恨めしそうな顔をされるというサプライズな演出もあって面白すぎた。
水曜日のカンパネラ程は奇をてらってない、そしてカリスマドットコムよりももっと緩い。生ぬるくて気持ちの良いスタイルといった感じ。
「やっぱラッパーは言葉で伝えたいことを伝えるべきだと思うんですよね。みなさん聴いてください!」ってMCしたあとに「根菜食べたーい!レンコン食べたーい!」ってラップしてたのも面白かった。でも根菜って美味しいもんね。あたしも根菜好きだわ。
女子のどうでもいい本音ラップって感じ。ノリノリで楽しいY.I.Mのテーマ、おしゃれを楽しんでるけどあれこれ悩むとう内容のコーデも楽しかった。
カトマイラもすっごいかっこよかったし、途中でRAP BRAINSのHAZYも出てきたのもうれしかった。あたしGirl tribe大好きだから「フロアで見かけてたあの子はHAZYだったのか」ってその時初めて気づいて脳内で大発狂してたよ。「平成」が聴きたかったけど、でもジャジーな曲やってて良かった。
踊るラッパーRhyda
山山山ちゃんのぶっとびアンビエントなDJプレイを見たあとはRhyda。
あたし、ぶっちゃけRhydaよく知らないの。ってよりPiz?君のWeekend SchumacherだとかRAP BRAINSのRainyとかの客演ですっかりシックなイメージがあったんだけれど、本人のステージを見たら良い意味でイメージが崩れた。
ラップしながら凄い踊ってたよ。そんなに踊って大丈夫?って心配になるくらいジャンプしてた。歌いながらあんなに体動かすのなんて安室か三浦大地くらいなもんだよ。でもさ、あのダンスがフロアに伝染するんだ。ダンスフロアにもグイグイ踏み込んできて皆を巻き込んで盛り上げる。ほろ酔いの客たちはあの音とジャンプにつられて踊るんだ。あのパフォーマンス力は凄いと思った。
タイからPiz?が凱旋帰国
そして大本命のPiz?君。滞在期間二日というハードスケジュールにも関わらず、安定したライブを披露。Rhydaが暖めたフロアでPiz君と盟友MUTA君と一緒に「Do You Wanna」「Weekend Schumacher」「M.O.G.U.R.O」「2 Verse 3 Hook」などを歌う。というか付き合いが長いわりに実はライブを見るのは初めてだったんだけれど、やっぱ「M.O.G.U.R.O」は鉄板なんだね。「駄菓子、ソースかつ、肉に見せかけた魚のすり身!」というフックを客も一緒に大合唱。気持ちの良いくらいの一体感に包まれる。このライブ力はpiz君ならではなんだと思う。Rhydaが参加したWeekend Schumacherも良かった。そしてMUTA君の「迷彩」もやってくれたんだけれど、メロウでとっても綺麗な曲なんだ。この連携が素晴らしい。
やっぱりブルテン
そんなPiz?君のホームでもあるブルテンクルーが続く。もうこないだのkmcのパーティーでもブルテンは見ちゃってるんだけれど、やっぱりいいね。それぞれの持ち曲をバランスよく混ぜて披露していく。人数が多いからどうしてもマイクが足りないんだけれど、マイクを回し合う息もぴったり、まさにマイクリレー。そして盛り上げ番丁のあべともなり(とratchildの遠ちゃん)。あたしの大好きなDon't Like me?やOdekakeなども歌ってくれたのにあべちゃんに全部持ってかれた。かっこいいだけじゃない、音が良いってだけじゃない。とっても楽しいパフォーマンスだった。
【hip hop】 抑えておきたいVLUTENT RECORDS 【Piz?】【VOLO】 - それでいいっしょ
沖縄からRitto from 赤土
はるばる沖縄から千住にやってきた、今回の目玉 Ritto from 赤土。なんだろう、彼が纏う神秘性みたいなものは。どっちかというとオラオラなスタイルなんだけれども、沖縄人としての民族性、それに+αでスピリチュアル的なものを感じる。
ビートはどっちかというとOlive oilやomsb、更にklo-doあたりの綺麗どころなんだけれども、そのせいで余計に彼の厳つさや野性性が際立つ。言葉のなまりや方言を前面にだして民謡を混ぜたかと思えば英語やヒスワリ語なども使い分けて歌う。インテリジェンスというよりも多様なバックグラウンドがにじみ出ている感じだ。不思議に思って本人に聞いてみたんだけど、ユタの孫らしい。なんとなく合点がいった。
彼のライブを見れた、というかこんなラッパーがいるんだと知れたことが今回一番の収穫だった。ザリガニかつあげ事件などもあったけれど、それは後編で。
ヒゲノカメラ上映会
BMXライダー達の後を追い、ひたすら撮り続けるヒゲノカメラことたいち君。そんな彼がついにフォトブックを発行した。そしてその表現は写真だけでなく映像にも及び、今回遂に上映会も慣行。たいち君の視点を通してスクリーンに映し出されるアクロバットなBMXとイケイケの音楽が融合して、本当にかっこいい映像になっていた。綺麗に飛ぶことだけがBMXじゃない。何回も転んでしまうこともある。そんなリアルなBMXが見れた。ちょっと痛そうだったけど。
ジャンベ集団:勝気煙
masさんのかっこいいDJを挟んでから勝気煙のライブ。4人による打楽器の多重奏は本当に圧巻だった。というよりもね、脚が勝手に踊りだしていた。原始的でシンプルだからこそ体が共鳴する。そしてあれだけ打楽器が重なると打楽器にも音階があることを知る。自然と目を閉じて音に浸り、本能のままに手足を動かす。己の内面と向き合わされる、そんな音楽だった。しかもこうじ君がまさかのサプライズ加入。みんなびっくりしていたよ。前述のRittoがヒスワリ語のボーカルで、Piz?君もハーモニカで参加。そんな千住の音楽祭のトリにふさわしい千住ハーモニー楽団でした。
まさに音とアートと人が融合したイベントだった。でもまず酒とべったり融合しちゃったね。あーとっても楽しかった。一緒にいってくれたなみちゃん、そして千住のみんな、どうもありがとう。お疲れさまでした。
<後編:BBC 1st anniversary partyに続く>