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【無料Web小説】 あたしは必死に彼のこめかみめがけて紅花油を振り下ろしたんだ -直子ワインハウス2-

物語
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ものぐさな性分なので灰皿に吸い殻を山のように積んでいたがそろそろ限界を迎えている。最近はあたしの部屋なんて遊びに来る男もいないから汚い寝間着のまま汚い部屋で過ごしている。雪崩を起こす前に捨てようと思い、コンビニのビニール袋に吸い殻を移すと灰皿の底から黒い塊が出てきた。紅茶のティーパックだ。二週間ほど前にリプトンの紅茶を飲んだ際に面倒で灰皿に捨てたことを思い出した。たんまりと水分を蓄えていたティーパックは今ではカラカラに乾燥し、灰まみれのまま灰皿に張り付いてなかなか剥れない。使用済みの割り箸をごみ袋から拾ってきて、そのティーパックを剥そうとしていた際に異変は起こった。信じられないことにティーパックが動いている。小刻みに脈を打つが、その動きは不規則だ。しばらく止まったかと思うとすぐにぶり返す。だんだんと動きも大きくなり、「ビクンビクン」と伸びたり縮んだりし始めた。

「やだぁ」
あたしはそう思いながらもなぜだか目がそらせない。次第にティーパックは膨れ上がり、袋を破いてしまった。そしてその中から姿を現したのは直子ワインハウスの卵だ。卵の殻はとても薄く、中の直子ワインハウスの姿もはっきりと確認する事が出来た。紅茶の葉の裏に卵が植え付けられていたのだろう。農作物に直子ワインハウスの卵が植えつけられている話は最近よく聞く。

しかしながら煎られても干されても孵化しようとする直子ワインハウスの生命力に感動した。そして遂に卵は林檎ほども大きくなり、殻を破って中から直子ワインハウスが這い出してきた。

頭部が二つ、前足が三本、後ろ足が二本、男性器が三つで女性器が一つの直子ワインハウスだ。男性器は大したことがないが、女性器はとても立派だった。その立派なおまんこを見ていたらある男を思い出してしまった。

昔、変な性癖を持っている男と付き合ったことがあった。八歳年上の彼は食品メーカーの研究所の所長か何かで身持ちはしっかりしていた。しかしセックスの時に人参だの薩摩芋だの野菜を「カロチンは体に良いんだぞ」と言いながら人の女性器に突っ込んで喜んでいるような男だった。しかも必ず翌日にその野菜を使った料理を作らされ、男は毎日おいしいそうに野菜炒めや天ぷらを食べていた。

彼はマークのカバンだとかグッチのシルバーアクセサリーだとか次々にブランド物を買ってくれた。そして青山あたりのフランスだかイタリアだかもう忘れてしまったけど、とにかくヨーロッパの国の料理を出しているレストランに連れていってくれたりしたので、あたしは野菜ファックにも多少目をつむっていた。しかしある夜、寝ている最中にお歳暮に頂いたボンレスハムをおまんこに突っ込まれそうになってこの時ばかりは本気で抵抗した。寝起きながらも太股に力を込めて必死に拒むと、「豚肉はビタミンBが豊富なんだ」とわけのわからないことを叫びながら掴み掛かってきた。血走った眼を見開いて髪を掴む彼のわき腹に蹴りを入れ、ひるんだところを振り切ってあたしはリビングに逃げ出す。そしてお歳暮でもらった紅花油の缶を見つけて、しっかりとそれを握り締め、追いかけてきた彼のこめかみ目掛けて勢い良く振り下ろした。
彼のこめかみは切れ、うっすらと血が滲んでいた。彼はうずくまっていたが、あたしは財布とケータイを掴んで寝間着のまま彼のマンションを飛び出し、タクシーを捕まえて家に帰った。彼にはその後、二度と会っていないがあたしはいまだにハムが食べられないし、化粧ポーチを置いてきたのを未だに後悔している。コスメデコルテのメイク用品を揃えていたのだ。

その彼にアダルトビデオを一度だけ見せられたことがある。スキンヘッドの男性が彼自身の頭部を金髪の女性の大きなおまんこに突っ込み、女性は何語かもわからない言葉で必死に叫んだり喘いでいたりしていた。あたしは気分が悪くなり、その場に吐いてしまった。彼はあたしのそんな姿を満足そうに眺めながらペニスをしごいて射精した。

直子ワインハウスのおまんこはその女性の大きなおまんこのように立派だった。アマゾンの奥深くでひっそりと、だがダイナミックに花を咲かせ、異臭を放つラフレシアのようだ。ノルウェー産のシャケの切り身のような肉厚の大陰唇、そしてどこまでも続いてそうな膣。この膣はもしかすると宇宙の真理へと繋がっているのかもしれない。

煙草を吸いながら綺麗になった灰皿に灰を落として、直子ワインハウスをどうしたものかとしばらく考えていた。あたしの困惑を知らずに直子ワインハウスは無邪気に家具や電化製品の匂いを嗅ぎ回る。その姿を眺めていたらなんとなく育てていく決心がついた。ハムも食べられないあたしだけど、この直子ワインハウスだけはしっかりと育ててやろう。やがて迎える発情期も産卵期も暖かく見守ってやろう。そうだ、名前は「ボンレス」にしよう。リプトンのティーパック工場で煎られても干されても必死に生きようとしたボンレスだ。産卵する姿も力強いに違いない。とりあえず牛乳を温めて飲ませてやろう。もしかしたら個人輸入で専用の餌も買えるかもしれない。

ボンレスはきっとこのまま大人になり、発情期を向かえてその辺で受精してくるだろう。そして悦楽めいた表情で左前足の産管内の盛り上がった卵巣から凍えそうな秋風に卵を乗せて撒き散らすだろう。その匂い香りはどこまでもどこまでも広がっていくのだ。

 

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