それでいいっしょ

ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

新宿二丁目日本語ラップナイトに狐火が出ます!

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twitterで公開してそこそこ反響を頂いてるんだけど、3/31新宿二丁目で開催される日本語ラップナイトでDJやらせてもらいます!

それで、せっかくだからラッパーを迎えたいなと思ったんだけど、今回なんと狐火さんにお越し頂きます。

色んなラッパーさんがあたしに良くしてくれてるから誰を呼ぼうか本当に悩みました。でもやっぱりお客さんに絶対聴いてもらいたいラッパーは誰かなって考えたらたどり着いたのが狐火さんだった。幸運にも面白がってもらえたみたいでライブをしていただくことになりました。もう本当に嬉しい。

狐火とは

2000年前後に流行したアングラHIP HOP=Jazzy HIP HOPの流れを汲みながらもポエトリーリーディングを基にオリジナルのスタイルを確立したラッパー。
アルツハイマーを発症した祖母について歌ったマイハツルアで注目を浴びる。

マイハツルア

マイハツルア

  • 狐火
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

そして生きる上で生まれる等身大の嘆きを作品にした「リアル」シリーズがファンから人気を集めたことによってラッパーとしてのステイタスを確立した。その功績が認められ、サマーソニック、B-BOY Parkにも出演。
就職に挑むフリーター(兼ラッパー)の嘆き、そしてラッパー兼業サラリーマンとしての不満や不安などを、言葉を選びながら表現していく。迷えるサラリーマンの鎮魂歌メーカー。

 

勇気が欲しい 特に上司が活発で生意気な年下でも余裕で頭を下げられる勇気が欲しい 月給25万以上社会保険出来ればジムの割引券も欲しい 採用面接前から働いている自分を想像してネガティブにならない勇気が欲しい けど、本当は1つの事を信じて続ける勇気を一番欲しい

27才のリアル

 

 あの社員が必死に今の位置に登りつめようとしている頃に、オレは朝から代々木公園でカンビール飲んでた。

コピー機の前で頭を抱えトイレの鏡で不適に笑え 社会に出たら非常階段ですら逃げ道ではないんだからね

29才のリアル

 

 仕事中エクセルで計算する今月の給料とライブのギャラ だめだ今仕事を辞めたら路頭に迷う でも、下を向くなら舌出して笑え

愛想笑いと謙虚なユーモアそしてたまに配るクッキーがあれば何とか会社でうまくやっていける 飲みの席では温泉詳しければ上司の話について行ける 何とかここでうまくやっていける気がした

30才のリアル

 

チューチュートレインの一番後ろでしゃがんでるだけの人生でいい

絶対こんなはずじゃなかった オレこんなはずじゃなかったんだよ

こんな会社明日辞めてやる 絶対に明日辞めてやるからな

31才のリアル) 

 

愛想を尽かして出て行った彼女 その時現実がぐっと近づいて膝を着いて考えた 後ろを見ても何もない 前を見ても何もない 隣を見ても何もない 

33才のリアル

 

【PR】狐火ベストアルバム発売中


狐火の魅力

狐火の一番の魅力は弱さだと思う。本来、HIP HOPは「マニー・ドラッグ・セックス」に代表されるように男が男たる強さを誇示するのが当たり前だった。相手をwackだとdisり、己の強さを勝ち誇る。

しかし狐火は真逆を行った。己の弱さをさらけ出し、恥じることなく、でも自嘲気味に歌にして世に送り出した。それが衝撃的だった。しかし自分の弱さをさらけ出せる勇気は一周回ってもはや強さに感じる。そしてその弱さに共感した人たちの多さよ。などと言いながら、あたしもその弱さにハマってしまった。

人にとって最大の慰めは共感だ。人はそんなに強い生き物ではない。「わかるよ、わかる」と共感できるものを探し求めてしまう。その対象が狐火だったのだ。

その姿勢は決して万人受けはしないだろう。しかしこのストレス社会と言われる現代において、狐火は多くの人の救いとなった。大げさだと思うかもしれないが、実際にあたしは救われた。だから単純により多くの人に狐火を聴いてもらいたいと思って、今回呼んだのだ。

狐火伝説

こんな風にかくと狐火という存在があたかも聖人のように感じられてしまうかもしれないが、まったくもってそんなことはない。実物は本当にその辺にいるあんちゃんだ。むしろ、ちょっとぶっ飛んでる気配さえある。というか確実にぶっとんでいる。あたしも長らく狐火ウォッチャーだったのでその例をいくつか伝えたい。

狐火はリズムを地団駄で取る癖があるようで、ライブの時はいつも地団駄を踏んでいるが、ついに地団駄も度を越して両足複雑骨折になってしまったようだ。しかも地団駄を踏みすぎて目から血がでてきたこともあるという。なんなの。

そんな狐火はサマソニのインディーズ枠かなんかでオーディションを勝ち抜いて出演をしたのだが、その快感が忘れられないらしい。しかしサマソニのその枠は1アーティストにつき、1回までの出演しか認められないとのことで諦めざるを得なかった。でもこの人は往生際が悪く、サックスプレイヤーを見つけてきて「キツネクション」というバンドを組み、再度オーディションに向かった。しかし残念ながら狐火というラッパーであることがバレて大目玉を喰らったらしい。

そして齢34にしてこれまでに出したアルバムが11枚だという。

先日のメガネのツルでお酒をかきまぜたり、人のスマホを取り皿にして食べ物を食べた話も面白かった。

こんなふざけた伝説すらも狐火らしくて大好きだ。正直、これらのエピソードを知ったことにより「この人なら二丁目来てくれるかな」なんて発想に至ったのだ。

ベストアルバム

先日遂に狐火のベストアルバムがリリースされた。


これを読んで興味を持った人はぜひベストアルバムを購入してほしい。そして3月31日に二丁目で開かれる日本語ラップナイトでの狐火の雄姿をぜひ拝んでほしい。

如何せん二丁目でのイベントです。普通のイベントとは違うかもしれません。もしかしたら女装のオーディエンスもいるかもしれません。そういう非日常な空間も皆に体験してもらいたいし、狐火さんにも楽しんでもらえたらと思います。

男の子はもちろん、女の子も入れます。小さいバーなので人がいっぱいきたらどうしようと思ったけれど、そんな時は路上でみんなで狐火の歌を聴こう。

心から皆さんのご来場、お待ちしております。

 

自らマイクを握って思ったこと MICSCREAM / 贅沢ビッグショー / TENT64

やっと原稿ラッシュを終えた。時間がなくて書けなかったんだけれど、ちょっと前にMICSCREAM@代官山LODGEに遊びに行ってきた。 GWC-MCZのKIYO君に会いたかったのとアイドルラッパーの記事でお世話になったもつ酢飯のライブが見たかったので。行ってみたら山田ちゃんやゆいちゃん、そしてhontumaさんなどがいた。しかもイベントの一環として餃子を提供してくれるという。ニンニク臭いのやだから食べなかったけど。

シンデレラMCバトルの直後ということもあって、結果が残せなかったもつ酢飯の二人は凹んでないかなあって心配だったけれど、バトルで不完全燃焼だったぶん、エネルギッシュなライブをしていてとってもいい顔をしていた。これから音源もバンバン出すだろうし、色々期待したい。
と言いながら、もつ酢飯の主催イベント大もつ酢飯展は原稿の締め切りとかぶっちゃって行けなかったんだけれど、でもEPが出たのでチェックしてるよ。個人的にはホワイト・リザレクションが一番好きかな。トラックが綺麗だった。無料なのでぜひ聴いてみてほしい。




あとはラップ酒場などでもお馴染みのHERBE君もライブ。いやぁ、ラップ酒場でもメロディアスなラップをしていて「おお」って思ってたんだけど、ビジュアルがもう王子様みたいでずるい。女の子はたまらんだろうなあって思ってしまった。


そんでMICSCREAMは色んなコラボを楽しめるイベントなんだけれど、この日はバイオリニストの方が演奏をしていた。キッチン用品を叩いた音をマイク通して打楽器に見立ててたんだけれど、そこにラップを載せたりしていて中々良かった。ちょうどHIP HOPとバイオリンのコラボってちょっと前に流行ったミリベンアリみたいだなって思いながら聴いてた。あたしはクラシックに精通しているわけではないけれど、Keshia ChantéのBeen Goneが好きなのでバイオリニストの方にビバルディの四季の冬をリクエストしたら「あれ難しいんですよ」と言われてしまった。そりゃそうだ。

そんな風にしてワチャワチャ飲んでいたらすっかり酔っぱらってしまったんだけれど、キヨ君にふと「バトル出てね」と言われて、よくわかってないままOKしてしまった。MICSCREAMはMCバトルを行っていて、希望すれば参加できるらしい。

ラップすりゃいいんだろ」って思って承諾してしまったが、あたしは産まれてこの方、ラップをしたいと思ったことが一度もなかった。HIP HOPもどちらかというとビートの方を注目しながら聴いてるし、ラップは音として捕らえてしまっている。ラップの仕方も全くわからない。どうしよう。しかも酔っぱらってヨロヨロ。

しかも最初にバトルをした相手の方はとてもいかついB-BOY。どうか命だけは!なんて思いながら勝負に挑んだ。しかもじゃんけんに勝った相手が選んだ最初のテーマは「お母さん」。なんだよそれ、と思いながら母親についてラップをする。「うちのお母さん、aikoが嫌い。テレビに向かって一人でマジギレ」というどうしようもないラップをしたあとに「うちのお母さんオカマを産んだ」とラップをしたらウケたらしく勝ってしまった。何事だよ。

しかもHONTUMAさんからチーム戦のヘルプとして呼ばれたんだけど、申し訳ないくらいにグダグダ。しかも相手はまさかのもつ酢飯。もう何言っていいかわからなくて、言葉につまった。そもそもラップしたいことなんてあたしには何もないんだ。と思って何も言えないでいたら「小説書いてるのに小節わからねえ」とアンサーを喰らい、その通りだなあ、なんて思った。じゃあ何にも言わないよりはいいかなあと思って「産まれる!産まれる!たまごっちが」って適当にいったらワッショイサンバが「産まれる!産まれる!プレステが!」とアンサーしてきてびっくりした。子宮口でかくない?って。でもまあ、プレステも赤ちゃんと同じくらいの大きさかなあ、でもやっぱり難産だよなあなんて酒で腐り果てた脳みそで思っていたら負けてしまった。HONTUMAさんあの時は本当にごめんなさい。

自分の最後のバトルではまたB-BOYの方が相手だったんだけれど、アンサーされるたびにレゲエダンスしていたら勝ってしまった。まさかの優勝。商品のテキーラをもらって更に酔っぱらった。なんかとデジャブすると思ったらオネエスタイルダンジョンだ。あたしは代官山で一人オネエスタイルダンジョンをしていたのだ。

とっても楽しかった。でももうラップはしないかなあ。イベントにはまた行きたい。と思ったら原稿を抱えてて行けなかった。来月こそは!

HONTUMAさんもブロガーなのでそちらの記事もぜひ読んでみてください。

hontuma4262.hatenablog.com



そのちょっと後かな、新宿ドゥースラーで開催された贅沢ビッグショーに行ってきた。ゲイ人気の高い高野政所さん、昔ドゥースラーでお会いしたMC Rynちゃん、そしてMacka-chinさんがDJをするのだ。本当に贅沢なメンバーだ。最近ちょいちょい会うことが多いIyo-changにも会えた。

ドゥースラーは本当に人種のるつぼだと思う。新宿と言う立地条件故か、なんでもありという雑多な感じが居心地の良さを作る。食べ物もおいしい。大好き。
もはや世界三位の男と名高い高野政所さんのユニット・贅沢ホリデイズも面白かったし、Macka-chinさんのDJも間違いなくってどっかから出てきたカウベル叩いちゃった。ちなみにMacka-chinさんには「イケメンラッパー図鑑、土台固めてるんでいつか出てください!」と大口叩いてしまったけれど、いつになるのかしらん。

ラップ酒場でお会いしたブンちゃんに会えたり、MMRの丸省君に会えたり、rynちゃんとずっとお話ししてたり楽しかった。あとTAMUさんのレゲエダンスがめっちゃ良かった。

23日はrynちゃんのイベントがドゥースラーであるという。お金があれば行きたい。



そうそう、TENT64@渋谷familyにも行けた。フリーターにも嬉しいエントランスフリーイベント。
しかもhazyも来るという。わーい、なんて楽しみにして行ったら男しかいなくてちょっとアウェイ。いや、あたしも男なんだけども。でも結局ブルテンのdoqちゃんやVOLOちゃん、CHAPAとわちゃわちゃ飲んでた。そして会長の作るだし巻き卵がめちゃくちゃ美味しかった。ひんやり冷えててほんのり甘くて舌触りがなめらか。毎日食べたい他の生き物、じゃなくて毎日食べたい出汁巻き卵だ。って言っても元ネタわからないだろうから、近々リリースされるイケメンラッパー図鑑を読んでくださいね。

そんでMewtant Homosapienceというユニットがライブをしていてかっこよかったんだけれど、KAWASAKIというアルバムが一時期フリーダウンロードだったみたい。知らなかった。悔しい。お金がないから涙ながらに何回も試聴している。貧乏は罪だ。

KAWASAKI

KAWASAKI

  • Mewtant Homosapience
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2400

 
そしたら会長がテキーラ飲ませてくれんの。ありがたやありがたやって思ってたけど、あたしも歳じゃん?そんなに何回もテキーラ飲めないよ。それでもまたテキーラが来る。会長怖い。

と思ってたけど、会長のライブは楽しかった。Fujikiiverson好きです。


でもNo sleepもやっぱり好きだなあ。


あと名前をまた聞くのを忘れたけど、2000年前後のHIP HOPばかり流すDJがいて、どんぴしゃだったから「めっちゃ選曲好きです」って言ったら「一緒に飲んだことありますよ」って言われて、あたしすっごい失礼なやつだなってびっくりした。でもテキーラのせいで覚えられませんでした。また会ったら話かけてください。

いっぱい写真を撮ったのにケータイが壊れて無くなってしまった。残念。
結局みんなで泥酔して終電の山手線でわいわいしながら帰った。大学生みたいだな。否、もう33歳なのである。

【Realsound】 Charaの世界観は他アーティスト作でも発揮されるーー倖田來未コラボ曲「My fun」から考える

またまたRealsoundに寄稿させて頂きました。倖田來未の新作で大好きなCharaがプロデュースしているので取り上げちゃいました。

男のあたしが言うのもなんだけれど、Charaを聴きながら目を閉じるとまるで自分が少女の頃に戻ったかのような気持ちになれる。

オカマがCharaの魅力を語るわよ!」的な記事に仕上がってるので良かったら読んでみてください♪ ちなみにヤフーニュースもデビューできてめちゃくちゃ感激。良かったら愛のブックマークもお待ちしております。

 

realsound.jp

次の記事は凄い企画を立てているのでお楽しみに~!

父が畑にブロッコリーを植えてるのをただ見ていた

週末はまた実家に帰ってしまった。兄弟が3月末に実家を出るということなので、あんまり会えなくなるなと思い、ちょいちょい顔を出している。

そしたら昨日は父がつくばの祖母の家に行くというので久しぶりに親と兄弟揃って行ってきた。父親がブロッコリーの種を発芽させて苗を作ったから祖母の畑に植えるんだと。祖母も昔は田んぼで米を作ったり、畑で野菜を作ったりしていたが、80を超えて身体にもガタが来たので父に色々と頼んでいるらしい。世話はできるが、植えたり耕したいできないみたい。年取ったんだなあ。

祖母の家はつくばの外れで電車も通ってないようなエリアなんだけれど、あたしが生きてきた30年間街並みが変わってない。こんな何もないところに生まれたら悲惨だろうなと思いつつ、筑波山が目の前に広がるのんびりとした風景が少しだけうらやましかったりもする。

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着いて早々に父が畑仕事。ビニールを外して耕機で土を耕す。そして一つ一つブロッコリーの苗を植えて土を少しだけかぶせる。

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隣にはソラマメ。

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あたしは見ていただけだ。畑仕事をやるなんて聞いてなかったから、Pコートにスウェードのブーツという畑仕事に向いてない恰好をしてきてしまった。親も大して期待してないようだった。

そういえば小学校の頃もよく畑仕事をしていた父を見たなあと思い出した。父は農家の次男だったのでサラリーマンだったけれど、近所の畑を借りてよく苺や西瓜、ナスやトマトを作っていた。飼っていたウサギを連れ出し、それをよく見に行っていた。老後を新居でと言う両親の希望で実家も引っ越して今は庭で花ばかり育てているが、小学校の頃はよく見た光景だなあと思った。

植えられた苗を見て祖母が喜んで何か言っているが、訛りが強くて聞き取れない。でも喜んでてよかった。あたしは何もしてないけど。
兄弟は祖母がもう乗れなくなった自転車を綺麗に洗って、そのまま自転車乗ってどこかに行ってしまった。どこへ行ったって何もないのに。

このまま時間が止まってしまえばいいのね。祖母も両親も元気で、こうやってずっとみんなで畑仕事したりして。昔みたいに田植えとか花火とかしたいね。なんて思ったところで時間は止まってくれやしない。

そのあとはそのままみんなで車を少し走らせて台湾料理を食べに行った。


また近いうち祖母の家に行きたいと思う。今度は汚れても良い恰好で行こう。

 

マイハツルア

マイハツルア

  • 狐火
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

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