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ネットラップの祭典「World Wide Words 2017」が7月29日に渋谷WWWで開催される。
ネットラップとはその名の通り、インターネット上でラップを披露することを指す。ニコニコ動画(ニコラップ)などが主な活動の場になっている。「ネットに投稿しているなんてなんかナード」と思うかもしれないが、時代の流れと共に普及しており、古くはあの清水翔太もyahoo!チャットのカラオケ部屋の住人だったなんて話も耳によく挟む。ニコラップ出身のMCとしては「Jinmenusagi」「ぼくのりりっくぼうよみ」「DAOKO」など、シーンの最前線で現在活躍しているアーティストも多い。
その中でも出世頭のJinmenusagiが今回World Wide Words 2017に出演する。
Jinmenusagiはニコラップで注目を集めるとLow high who?に才能を見出されて所属。音源をリリースしてめきめきと頭角を現した。そして現在はフリーランスとして活動するという特異な経歴を持つ。
最近ではメジャーシーンで活躍するAIの新作でも客演として2曲に参加して話題にもなった。
そんなシーンの最前線で活躍するJinmenusagiだが、ネットラップという己のルーツを決して無下にすることなく、今回もWorld Wide Words 2017に出演をする。
そして今回の特筆すべき点はぎぎぎのでにろう率いるStudioLamaが参加するということだ。StudioLamaはにこらっぷなどを主体に活動しているMCを集めたレーベルとして機能しており、今年は遂にStudioLamaとして1stアルバム「LamaOS」をリリースした。ぎぎぎのでにろうを始めとして、Vacon、もしゃすけ、ラップするマンなどの所属MCが参加した「LamaOS」は適度なポップさとそれぞれのMCの個性が絶妙にブレンドされた名盤だ。
そのメンバーの中でもひと際輝いているのが百牙だ。狐火のファンならその名前にピンとくる人もいるかもしれない。狐火の出世作となったマイハツルアのトラックを制作したのがSOこと、百牙であった。
アルツハイマーの祖母を気遣う青年の気持ちが込められた「マイハツルア」は浮遊感のあるトラックがもたらす切なさと相まってシーンで話題となった。言うなればこの名曲は百牙の存在なしには誕生しなかったのである。また他にも狐火の曲に参加しており、狐火の作品でも彼のMCネームである百牙という名前がクレジットでも確認できる。
しかしその後、百牙は現場を離れてしまう。仕事など色々理由はあったらしいが、あっという間に時は経ち、なんと10年のブランクが開いた。しかし、その間彼は何もしていなかったわけではなかった。ニコラップを2009年に初投稿。そして8年の間、独特の人脈とネットラップなりのキャリアを築き、ぎぎぎのでにろうによってStudioLamaに迎え入れられた。
「LamaOS」でも彼のラップを堪能できる曲がある。まだトラック制作には携わっていないとのことだが、彼のサンクラを確認する限り、マイハツルアに通じる哀愁感は健在である。今後百牙のトラックがStudioLamaでも聴けるのを楽しみにしたいと思う。
10年経っても諦めず、シーンに戻ってきた百牙の姿をぜひ見てもらいたい。イベントに合わせてStudioLamaも動き始めている模様。以前からぼくのりりっくぼうよみとの絡みも気になるStudioLamaだが、今後の動きも目が離せない。ぜひWorld Wide Words 2017に足を運んでもらいたい。