木村高一郎「ことば」
木村高一郎氏の写真集「ことば」が出版された。
4月には「ともだち」という写真集が発売されたので精力的に活動しているなあと思ったら、「ことば」は2014年にcanon写真新世紀で佳作を受賞した作品を改めて出版したとのこと。今年はキム君にとって躍進の年なんだなあ。
キムくんは何回か飲んだことがあって、あっちは写真、こっちは文章という形で作品作りをしているという点で気が合った。気が合ったというか、まあ大抵酔って作品作りの話してたらなんでも楽しくなっちゃうんだけど、でもその時に色々聞いた時はここに記すのもはばかれるものをモチーフにしてたり、結構前衛的というか奇抜というかそんな印象だった。
じゃあどんな作風なんだろうとサイトを開いてみたら単なる家族の写真だった。でもぐっときた。写真お借りしますよっと。
ARTIST INFORMATION|木村 高一郎 写真集「ことば」出版|キヤノン 写真新世紀
どうしても家族っていうと長島有里枝の家族ヌードを連想してしまうんだけど、あそこまでは尖ってなくて、ナチュラルで本当に良い写真だった。
っつってもあたしは写真に関してはズブの素人なので良いか否かって判断に困るんだけど、好きか嫌いかっていったら全然好きな写真だった。
自宅の天井にカメラを設置し、就寝時、10分毎に自動撮影した2年間分、約10万枚からセレクトされています。
企画勝ちと言えば企画勝ちだし、そういう頭の良さもキム君っぽいんだけど、でも惹かれる内容だよね。だって2年間だよ。よく続けたよなあ。お子さんの成長過程までわかっちゃうっていうね。
人間が一番無防備になる時間って就寝時間だと思う。自然体になった家族のヒトコマを切り取った、そんな写真作品「ことば」。ありのままの姿という点では長島有里枝の家族ヌードに通じるんじゃないかな。
キム君の「ともだち」もチラ見くらいしかしてないんだけど、お子さんがうんこをしている時の表情を撮って集めたというこれはこれで奇抜な作品。あたしが子供だったら思春期迎えたとき「人の糞してる写真撮るんじゃねーよ」ってグレそう。
(ともだち より引用)
でもキム君の中では「家族」「子供」ってのがキーになっているんだと思う。
あたしは今後戸籍上では誰とも繋がることもないし、子供を持つ予定ってのもないからその感覚はわからないんだけど、だからこそ「ともだち」は子供がいるお父さんお母さんに見てもらいたいし、「ことば」も家族がいる人たちにおすすめなんじゃないかなって思う。まるで自分の子供を見ているようで、そしてまるで自分の家族を眺めているようで楽しいんじゃないかな。「ともだち」なんてニヤニヤしちゃうくらいかわいい。
ちょっと「ことば」は値は張るけど、写真新世紀は伊達じゃないぞってことで。「ともだち」も含めておすすめします。ご家族のいる方、心がほっこりする写真集どうでしょうか。
キム君のサイトはこちらから