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ゲイHIPHOPライター鼎のブログ

幸せとは何かを考えさせられる映画 「ハピネス」

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トピック「映画監督」について

 

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映画館がない田舎町に産まれ、ツタヤは車で20分。映画なんて金曜ロードショーくらいしか縁がない環境で20代まで過ごしてきた。スターウォーズだってちゃんと見たことがない。映画を語る資格なんぞまったくないのだが、好きな監督を1人挙げるならばトッド・ソロンズだろう。

大学時代、あまりにも映画の知識がないことに危機感を覚えた自分はツタヤに行った際にレンタル落ちのVHSを200円で買っていたのだが、「ハピネス」もそのうちの1つだった。なんとなく惹かれるものがあり、手に取った気がする。まあ、200円ならば失敗しても損はないだろうと気楽に買った。

酷い映画だった。どこにも救いがなかった。
主役となるのは三姉妹だ。長女は、医者の夫と子供に囲まれた幸せな主婦。次女は成功した作家。三女だけが成功には程遠い作曲家の卵でモヤモヤしている。
でもあるとき長女の夫が小児性愛に目覚めて息子の友達をレイプして逮捕されてしまう。そして次女もスランプに陥り、レイプされたいという願望を抱えてしまう。三女は男を振れば自殺され、更に別の男を愛してみれば騙されて金を巻き上げられてしまう。

何だよこれ、って当時は思った。誰もハピネスを手に入れられない。これは不幸のどん底に落とされた人たちがハピネスを望むありのままの姿を描いた映画だったのだと気づいた時にはこの映画を愛し始めていた。

幸せが欲しい、でも幸せってなんなのでしょう。
そう考えさせられる映画だった。

1998年にこの世にも奇妙なインディ映画を作ったトッド・ソロンズ監督。他にも何本か映画を撮っているんだけれど、あたしは「おわらない物語 アビバの場合」も見たことがある。これも一癖も二癖もある映画だった。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/5/5b/Palindromes_film.jpg


出産願望のある12歳のアビバが念願かなって妊娠をするも親に堕胎させられ、また妊娠を求めて旅に出る。でも堕胎経験があるアビバは既に子供が産めない体になっていた。

ってさらっと書いてみたけれど、どんより感が凄いでしょう。でもね、映画の演出も凄いの。主人公のアビバを演じる少女が次々と入れ替わる。最初に妊娠した時のアビバは白人の美少女だったのに最後の方では黒人の太った女の子。この演出も衝撃だった。

それでも子供を諦めないアビバの姿が健気だった。だからアビバが健気になればなるほど、救いがなくなる。こんな悲しい物語からあたしは何を見出せばいいのか、いまだにわからない。


この二つの映画、どっちも日本版とアメリカ版で表紙が全然違うのも面白い。しかし天才と変態は紙一重、とはよく言うけれど、トッドソロンズは後者なんじゃないかな。癖の強い映画ばかりなので一概にもおすすめはできないけれども、惹かれるものがあったら見てみてください。


 
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