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三上寛がKMCら若手ラッパーとイベント出演!エレキギターを片手に熱演!

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立川AAカンパニーで4月21日に『KKK』というHIPHOPイベントが開催された。

出演者はSTUTSのヒットアルバム『Pushin'』への参加も記憶に新しいKMC、鎮座ドープネスも不定期に参加している近所のメンバー、そして70年代からフォーク界の異端児として活躍している三上寛だ。

三上寛。「夢は夜開く」の衝撃的なカバーを『第3回全日本フォークジャンボリー』で披露して一気に名が知れ渡ったフォークシンガーだ。寺山修二の世界を受け継ぎ、怨み・性・死・母親など、三上寛独特の観点から紡がれたその詩はどこか恐ろしく、そしてさみしさがあった。それは世間では「怨歌フォーク」と呼ばれた。 藤圭子でおなじみの「夢は夜開く」。その生みの親でもある曾根幸明が亡くなってしまったというニュースが少し前に入ってきたが、あの名曲も三上に歌わせると「ヌード写真に飛び散った精子を拭く」「ひらく夢などない、まして夜などこない」と行き場のない若者の鬱屈とした想いの歌になってしまう。他にも三人の人間を殺したおどについて歌う「おど」。残酷な歌詞といい、多少のズレがある二重録音といい、何とも言えない不気味さがある「気狂い」。極めつけはランダムに言葉が並んだだけの「ひびけ電気釜」。山本リンダが「どうにもともならない」というキャッチーな歌を歌っていた時代に三上寛は奇怪な歌を歌い、そして人々を魅了し続けた。

今となってはバタイユや村上龍のエログロナンセンスに通じる世界観なのかもしれない。そしてcoccoや椎名林檎のようなメンヘラ音楽の走りでもあると思えるが、当時はさぞかし衝撃的だったろう。かぐや姫の「神田川」、吉田拓郎の「結婚しようよ」など四畳半フォークが流行り、清貧や純愛が歌われていた時代、三上寛や岡林信康は泥臭いフォークを歌い続けた。

その後、80年代には三上寛は曲をリリースを一旦休止。『戦場のメリークリスマス』に代表されるように俳優としての活動が目立つようになるが、90年代には歌手として復活。68才になった現在もインディーズを軸に精力的にリリースを続ける。大小問わずにステージにも立ち、演奏を続けながらゴールデン街で酒を飲む。そこに目を付けたのがKMCと近所のメンバーだった。

ゴールデン街で三上寛と意気投合したKMCが出演を依頼し、今回のイベントは実現したのだ。STUTSやO.N.Oを制作陣に従えて術ノ穴からアルバムをリリースしていたKMC。ゲスト参加したSTUTSの『Pushin'』のヒットによって知名度が急上昇し、今後の動向にも注目が集まる中、このイベントが実現された。また、近所のメンバーもカトマイラ、鎮座DOPENESS、火男などが在籍し、流動的に活動を続ける。物騒なイベント名KKKもそれぞれのアーティスト名の頭文字を取って並べただけという緩いコンセプトのイベントなのである。

会場は立川AAカンパニー。最近HIP HOPイベントで耳にするクラブだ。立川という東京の果ての地ながらも中央線沿線サブカルチャーが集う。ドアをさっそく開けてみると近所のメンバーが演奏していた。カトマイラや鎮座DOPENESSは不参加だが、演奏もダイナミックで上手い上に3MCでボリュームがある。HIPHOPではあるがスカなど様々な音楽が散りばめられており、ホーンやスネアが小刻みに響き渡る。決して広い会場でないし、小規模でなイベントではあるが中々盛り上がっていた。

そしていよいよ、三上寛の登場である。黒いTシャツに質の良さそうなデニムという若々しい姿で颯爽と舞台に立ち、フランクに挨拶をする。手にしていたのはアコースティックギターではなく、エレキギターだった。ドラムもベースもない、エレキギターのみの演奏。何よりも驚くべきはその声の変化だ。人前で45年も歌い続けてきた三上寛の声は70年代の音源に比べて大きく変わっていた。声の張りは失ったが高音はよく伸び、低音部はしゃがれ声ながらもよく響く。何よりもエレキギターの響きがフォークと言うよりもブルースを感じさせる。 往年の名曲「ブルースは俺のものじゃない」をいきなり熱唱。しゃがれたハスキー声といい、エレキギターの切ない響きといい、いや、もはやブルースは三上寛のものだよな、などと思いながら聴く。その姿は圧倒的であった。若々しい恰好をしていたというのもあるが、老人と呼ばれる年齢なのにも関わらず、背筋を伸ばして声を張り上げる。三上は過去の曲だけにこだわらず、比較的新しい「アンコ椿外伝」や「カモメ」を歌った。進化し続ける三上の姿を見てくれということか。それだけでなく青森に伝わる民謡などを歌い上げる。故郷青森に由来する楽曲は過去の呪われた風習や故郷を想う心を歌っており、柳田邦夫の民俗学の世界を感じさせる。しかし「夢は夜ひらく」はやはり良かった。声の高低差で三上の声は表情を変えるが、高音部は綺麗に伸び、そのままフっと抜ける。低音部はしゃがれた声が重く響き、高音部をより引き立てた。音程もしっかりしており、年齢による衰えは一切感じさせない。

夢は夜ひらく

夢は夜ひらく

  • 三上 寛
  • シンガーソングライター
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

曲と曲の間では「カズ(KMC)も良いラッパーになった。近所のメンバーも昔よく一緒にやったけど、本当に上手くなった。」などと三十路を過ぎた大人を子ども扱いして笑いを取り、その余裕のある感じにとても好感が持てた。そして迫力のある演奏は終わったあとも余韻を残した。

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最後はKMCのステージだ。ビートを提供してきたSTUTSのヒットにより、再評価されているKMC。ライブでもお馴染みの「KING」「HIP HOPが好き」などを熱唱する。いつどこのライブで常に全力をぶつける。性善説が根底にあると思わせるまっすぐで蒼いリリック、そしてジャジーながらもキャッチーさを持ち合わせるSTUTSのビート。しかもKMCは近々出ると噂される新作から一曲をピックアップして歌ったが、それも良かった。ALTとの共作だという新曲はKMCにとって今までになかった浮遊感のあるトラック。心地の良いジャジー感がありながらも、KMCの熱いラップはそのままだ。KMCの新境地を切り開いたように感じた。新作のリリースが今からとても楽しみである。

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デイイベントながらも十分に楽しめたKKK。三上寛のステージは一見の価値があると本当に思う。今でも精力的にライブを続けているのでまだ生で観たことが無いという人はぜひとも見てもらいたい。

 

ひらく夢などあるじゃなし

ひらく夢などあるじゃなし

  • 三上 寛
  • シンガーソングライター
  • ¥1800

 

KMC!KMC!KMC!

KMC!KMC!KMC!

  • KMC
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1500

 


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